今回は、鶴見区を拠点に活動している『てんご』をご紹介します。“てんご”とは“いたずら”とか“やんちゃ”という意味の大阪弁で、だんじり囃子を演奏している団体です。代表の岩本仁宏(いわもと よしひろ)さんにお話を伺います。
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●気の合う仲間が集まって
以前はある祭りの団体に所属していた人たちが、その団体を離れた後、だんじり囃子が好きな気の合う仲間を集めて作ったのが『てんご』です。活動を始めて約6年が経ちました。
●だんじり囃子とは
大阪市内の多くのお宮さんにはだんじりがあります。お祭りの時にだんじりをひきますが、そのだんじりに乗って叩くおはやしのことを“だんじり囃子”と言います。今では、だんじりを置いたまま、境内で鳴らす場合も多いようです。
●楽器構成
“親”と言われる太鼓が一つ、小太鼓が一つ、直径30〜35cmの大きな鐘が二つの合計四つの鳴り物と、踊り手が1〜2人でワンセットが基本になります。楽譜などはなく、だんじりの動くスピードや坂道、道の曲がり具合いなどにも演奏も影響されますが、基本的には“親”と言われる太鼓が気分次第でテンポを速くしたり遅くしたりして演奏するのがだんじり囃子です。鳴り物同士が「どこまで引っ張れるねん?」、「どこまで速くできるねん?」などと“勝負”しているので、同じように聞こえるだんじりでも、全く同じということはありません。
●いろいろな踊り
だんじり囃子にも、いろいろな踊りがあります。指を2本出して踊るものは、龍が舞い降りてくるイメージで“龍踊り”と呼んでいます。“龍の爪”とか“龍の頭”という人もいて、地域によっては、“たぬき”や“きつね”と言うところもあります。踊る人によって、いろいろなストーリーを思い描きながら自由に踊ります。
●お祭りに来られない方へ
『てんご』の活動は、交通遺児の子どもさんの施設や老人ホームの慰問が中心です。もともと「お祭りに来ることができない方にお見せしよう」ということが目的でした。中学校で教えたこともあり、「登校拒否の子どもが、だんじり囃子をすることで登校できるようになった」など、嬉しい話もありました。老人ホームでは、お年寄りの方が昔を思い出して、とても喜んで手拍子や足拍子をする姿を見て、施設の職員の方や私たちは感動しました。
●伝統文化の継承のため
沖縄で開催されている『全国中学校総合文化祭』に大阪代表で参加しました。京セラドームで行われたブラスバンド部の大会に、伝統音楽の継承ということで出場したこともあり、子どもたちは喜んで、演奏していました。
●“祭り”という本来の意味を伝えて
当初は6人で始めましたが、現在は12〜13人を中心に、教え子たちも合わせると30〜50歳代の約30人で活動しています。だんじり囃子を通して、“祭り”は神事であるという本来の意味を伝えていくとともに、子どもたちに「まっすぐ素直になってほしい」という気持ちを込めて、長く続けていきたいと思っています。
<お問い合わせ> 鶴見区コミュニティ協会
TEL 06-6912-3971
『てんご』ホームページ
http://www.gogo-tengo.com/
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