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   平安貴族のガーデンパーティー      
 


城南宮・楽水苑

 竹田街道から西へ。名神・京都南インター南側にある城南宮に来ました。方除(ほうよけ)の神様として信仰を集めている神社です。権禰宜(ごんねぎ)の山本弘毅さんにお話を伺いました。本殿と拝殿を取り囲むように美しい庭があり、いろんな植物が植えられて、源氏物語の一節が引用された札が立てられています。
「この『楽水苑』では、春の山の庭を中心に、源氏物語に出てくる植物百十数種類のうち百数種類ぐらいを植栽していて、源氏物語の植物を保存、育成していく活動をしています」


 


曲水の宴の舞台となる「遣水」

 この城南宮には、古い歴史があります。
「794年の平安遷都時に、南の守り神として造られたと言われております。平安末期になると、白河上皇がこの鳥羽の地に鳥羽離宮(城南離宮)を造られ、日本で初めて院政を執られたため、改めてスポットを浴びました。鳥羽離宮は今の城南宮の60倍の広さがあり、貴族の御殿やお堂がぜいを尽くして建てられて、今でいう副都心のような場所になりました」

 お話を伺っている所は、「曲水の宴(うたげ)」が行われる有名な庭。小高い丘のようなところから、くねくねと曲がった水路の「遣水(やりみず)が来ています。
「歌人が並び、上方から童子が『羽觴(うしょう)』という鳥をかたどった舟に杯を乗せて流します。歌人は即興で作った歌を短冊にしたためたら、流れてくる杯を取り上げて召し上がります。貴族の遊び、雅なガーデンパーティーのようなものですね」


  城南宮

 ■楽水苑拝観料/大人500円、
             小中学生300円
 ■拝観時間/9:00〜16:30 (入苑は16:00 まで)
 ■TEL /075-623-0846

   日本酒のミュージアム 
 

月桂冠大倉記念館の展示
 竹田街道に戻って南へ進むと、また国道24号を離れ、棒鼻交差点に出ますが、そこから1km以上にわたって、北行きと南行きの一方通行の道に分かれます。再び合流した辺りは、すっかり酒造りの町。そこには「月桂冠大倉記念館」が待っていました。立ち寄って、月桂冠広報室長の村上月雄さんにお話を伺いました。
「明治のころまで実際に使われていた酒蔵を改装し、昭和52年に一般公開しました。入ってすぐ左側に帳場があり、さらに入ると道具が展示してあります。日本酒は、江戸・元禄のころから冬場に1年分まとめて造るようになりました。工程が複雑で道具の数も増えて覚えきれないぐらいになり、『狐』や『狸』などの動物の名前を使ったほほえましいものもあります」


名酒の基本はこの水

 中庭では、おいしいお水をいただけました。
「酒所と言われるところは絶対条件として、おいしい水が大量に必要です。この記念館では、まず原点となる地下水を口に含み、それからいろんな道具やかつての商品、ポスターなどをお楽しみいただいています。また、寒造りで冬場だけ使う蔵の中に、ガラスで仕切ったミニプラントを造り、夏場にお越しのお客さんにも、古い建物の中で今も行われている酒造りの様子を見ていただいています」

  ここは竹田街道の終点近くにあります。
「京都駅からここまで6kmほど、日本で最初の路面電車が竹田街道を走りました。京都に出来た日本最初の発電所からの電力を使い、長さ約6m、幅1m半くらいの小さな路面電車が、乳母車よりも少し速いくらいのスピードで走りましたが、当時としては画期的なことで、大勢の見物人が集まったと語られています」



 月桂冠大倉記念館

■開館時間/9:30〜16:30
■休館日/お盆、年末年始
■入館料/大人300 円、中高生100 円
        *純米酒一合瓶付き
         (未成年者は酒造り絵はがき)
■TEL /075-623-2056

 


京都市の中心部と伏見を結ぶ旅。その所々に、実に素敵なスポットがたくさんありました。2回にわたってご紹介した京都市南部、皆さんも散策してみてください。