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  新年、大絵馬がお出迎え
 


橿原神宮外拝殿

 国道24号を南へ走り、橿原市にやって来ました。平城京より時代をさかのぼる藤原京の町にあるのは、橿原神宮です。ここには鐘はありませんが、その代わりに大絵馬があります。開運と書かれ、イノシシの描かれた畳14枚分の絵馬が、外拝殿(げはいでん)の左にあります。これは京都市立芸術大学副学長・上村淳之(うえむらあつし)画伯の作品です。 橿原神宮では、12時の年明けと同時に威勢のいい初太鼓が鳴り響きます。2007年は皇紀2667年に当たることから、2660年の266回+7年ということで、273回打ち鳴らされるそうです。また、新年5日までは、普段入れない内拝殿(ないはいでん)まで入って参拝をすることができます。縁日も並んで賑わいます。お正月が近づくと、畝傍山(うねびやま)をバックにした社殿が、一層神々しく見えます。

   浄瑠璃でも有名な山の古寺
 

壷阪寺

 次にやって来ましたのは、高取町にあります壷阪寺(つぼさかでら)です。山頂近くにあるため、橿原市街などが一望できるとても見晴らしのいいお寺です。奈良時代より前の703年に出来、浄瑠璃の「壷坂霊験記」でも知られています。目の病気にご利益のあるお寺で、正式には「壷阪山南法華寺」といいます。執事の喜多宗忍(そうにん)さんにお話を伺いました。
「除夜の鐘は、11時45分から、職衆(しきしゅう)の後に、お出でいただいた全員の方に突いていただけます。大みそかは山を開放し(入山料不要)、鐘を突いていただいた後、お雑煮の振る舞をさせていただいています。お雑煮の後は福引大会があります。年越しの福を持って帰っていただけたらと、4〜5年前から始めました。また、先着200名に干支のお財布をプレゼントしています」

 

天竺渡来大観音石像

台座を含めると身の丈20m
 鐘は、お堂のような鐘楼の中にあります。
「そうなんです。少し急ですけど、階段を上がり、台の上で突いていただくことになります。お里・沢市の『壺阪霊験記』ゆかりのお寺ということで、毎年、目のご不自由な方もお出でになりますので、寺の者が横に付かせていただいております」


  壷阪寺
 ■開門時間/8:30〜17:00
 ■入山料/大人600円、18才未満100円、
        身体障害者無料 *大みそかはすべて無料
 ■TEL /0744−52−2016 

   歴史を作ったお寺で年越し   
 

飛鳥大仏
 最後は明日香村にある飛鳥寺に来ました。のんびりとした田園風景にある明日香村を代表するお寺であり、日本の歴史上、大きな出来事の舞台となったところでもあります。飛鳥大仏という日本で一番古い仏さんでも有名です。植島宝照(ほうしょう)さんにお話を伺いました。昔、飛鳥大仏は金色に塗られていたようです。
「そうですね。黄金に輝いておられたんですね。鍍金(ときん)がしてあって、黄金が32kgほど使われていましたが、その半分は朝鮮半島の百済の国王から頂いたものです。仏様というのは、身体が金色ですよと教典に書かれており、それを忠実に再現していました。大きさも、像高が約2m75cmで、立たれると4m85cmぐらいになり、釈迦如来の原寸大の『一丈六尺』に一致します」


入鹿の首塚 奥が飛鳥寺

 歴史的大事件の舞台となりました。
「お寺の西80mほどに、『入鹿の首塚』という五輪塔が建っております。鎌倉時代に建てられた蘇我入鹿を供養する塔です。入鹿は645年の大化の改新の際、飛鳥板蓋宮(あすかいたぶきのみや)で、中大兄皇子と中臣鎌足に首をはねられました。入鹿の供養塔から先、甘樫丘(あまかしのおか)に至るまでの田園風景には、1400年前、槻(つき)の樹の広場があり、そこで644年に行われた蹴鞠(けまり)会で、中大兄皇子と中臣鎌足が運命的な出会いをされました。槻の樹とは、今で言うケヤキです」

 除夜の鐘は、何時から突けるのでしょう。
「11時30分に、お寺の住職が最初の鐘を突かせていただき、その後は、来られた方全員に突いていただけます。また、先着250名に絵馬のプレゼントがあり、しょうが湯の振る舞いもあります」

 飛鳥寺
■飛鳥大仏拝観時間/9:00〜17:00
               元日のみ10:00 〜16:45
■拝観料/大人300 円、高校生250 円、
        中学生220 円、小学生200 円
■TEL /0744−54−2126
 

意外なところで除夜の鐘が突けるものだと、びっくりしました。一口に鐘と言ってもさまざまな音色や姿があり、また鐘楼も色々ですが、それぞれが地域にマッチした形であることを感じました。