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奈良・談山神社と“聖地”室生へドライブ
11月に入ってやっと秋らしくなったと思ったら、早くも晩秋。紅葉がピークを迎える時期になりました。今回は奈良へとでかけ、紅葉を愛で、歴史ロマンを楽しみ、そして、芸術にひたることにしました。錦秋の奈良はどんなふうになっているのでしょう。まずは、日本の歴史における大事件「大化の改新」の舞台の一つとなった、紅葉の名所へと向かいます。



    道から始まる奈良の旅
 


南阪奈道路

 阪神高速松原線から阪和自動車道、そして南阪奈道路へと入りました。この道を行くと、目前に二上山が見えてきて、そこを竹内トンネルで抜けると、奈良盆地がぱっと開け、太陽に照らされた大和三山や奈良の町並みに、ゆったりと雲の影が動いていく奇麗な光景を見ることができます。
 目指している奈良県桜井市へは、大阪から二つのルートがあります。西名阪自動車道で郡山インターへ行き、今年開通した京奈和自動車道で南下するルートと、今回走っているルートです。車は既に南阪奈道路から大和高田バイパスに入り、右手前方に畝傍(うねび)山が見えています。この大和高田バイパスは、国道24号と国道165 号のバイパスとして造られていて、奈良県香芝市から橿原市までの14.4kmのうち、葛城市の2.3km区間を除いて開通しています。全線開通と京奈和自動車道とのジャンクション開通が待たれます。

   大事件の舞台は紅葉の名所   
 

談山神社

 国道165号で桜井市に入り、標識に従って山をぐいぐい上がって、「関西の日光」とも言われる多武峰(とうのみね)の談山(たんざん)神社に到着しました。山々がモミジ一色というわけではなく、色々な木が折り重なって綾錦をなしている感じです。ここは、645年に起きた大化の改新が始まった場所、と言っても過言ではないほど重要な場所。談山神社の川南勝(かわなみまさる)宮司にお話を伺いました。まずは、談山神社という珍しい名前の由来から。
「古代にこの辺りを『田身嶺(たむのみね)』と申しまして、その『たむ(たん)』を一字に当てたのが『談』です。それと、大化の改新ですね。このお山の中腹で、中大兄皇子と中臣鎌足が相談をしたため、その一字を取って談山神社と社名が付いたんですね」




像の主、中臣鎌足が祭神

 飛鳥とはどんな位置関係なのでしょう。
「飛鳥から見ると太陽が昇る東の方になり、昔は多武峰を霊地とした山岳宗教が栄えておりました。飛鳥の人々は、朝夕にこちらの山の方を拝んでおり、ここで相談をするような機運になっていったんでしょう。当時の飛鳥は狭いところでしたから、密偵などもいっぱいで、一族が道で立ち話もできないような時代だったため、ここにお参りに来て、大化の改新への下準備をされたんでしょうね。ご本殿の裏山一帯を『談(かたら)い山』や『談所ヶ森』と申しまして、『大化の改新発祥の地』というような小さな石碑があり、そこが中心になったと思います」


皇子と鎌足
の談合の様子
左下はお付きの者と思われる

 談山神社は 神仏習合の状態が長かったため、 鳥居はあるものの、お寺の本堂のような建物があったり、奥に十三重塔があったり、拝殿も清水の舞台のような変わった造りです。それが後ろの紅葉と相まって、なんとも言えない美しさです。
「千畳敷の拝殿があり、その奥にご本殿があります。ご本殿は、日光東照宮を造る時にお手本としたもので、きらびやかな色彩と整った彫刻が本当に紅葉とマッチしています。平安時代から何回も戦火に遭ったため、防火林としてコウヤマキを周りに植えました。それから300年、400年と大きくなっています。ご本殿の裏には禁足地があり、人間が入らず草木1本切らないで大事にしておりますから、造られたものでなく、自然ままの紅葉が見られます」

 談山神社
■拝観時間/8:30〜16:30
■入山拝観料/大人500 円、小学生250 円
■TEL /0744−49−0001