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  山上に再現された石部宿    
 


石部宿場の里

 湖南市の石部宿は、旧東海道に昔の面影が草津宿ほど残っていません。しかし、少し南の山の上にある「雨山文化運動公園」の一画に、「石部宿場の里」と「東海道石部宿歴史民俗資料館」があり、51番宿の石部宿が再現されています。管理者である石部公共サービスの能川(のがわ)三夫社長にお話を伺いました。
「石部宿には『京発ち石部泊まり』という言葉があり、京都三条からちょうど10里、約40kmの距離にあたり、伊勢参りや江戸への下向で、旅人たちが1日の旅を終えて疲れを癒す場所となりました」





茶屋も復元

 旧東海道沿いにお茶屋を復元した休憩所があり、そこでの展示を見ると、石部宿には単に旅籠があるだけではなくて、お菓子屋さんから質屋さん、金物屋さんやお魚屋さんなど、いろんな業種のお店があったよです。
「最盛期には216軒の商家、62軒の旅籠が軒を連ねており、幕府直轄の本陣が二つございました。行き交う旅人で非常ににぎやかな宿場町だったと言われております。本陣には、明治天皇やいろいろな大名、近藤勇などの有名な人物も泊まったと伝えられております」

 ここには、昔の農家、茶店、米問屋、旅籠、蔵などが建てられていて、旅籠「石部屋」の玄関からは、お姉さんが出てきそうなたたずまいです。
「歌川広重の浮世絵には、当時、いろんな客さんがお泊まりになるなかで、宿女中が忙しく行き交う姿が描かれておりますね。今で言う客引きのような女性もいたようです」
 


  東海道石部歴史民俗資料館
  石部宿場の里
 ■開館時間/9:00〜16:30
 ■休館日/月曜日(祝日の場合は翌日)、
         祝日の翌日(土日は開館)、年末年始
 ■入館料/大人320 円、小学生〜高校生160 円
 ■TEL /0748−77−5400

   土山宿の癒しの空間    
 

土山宿

 甲賀市に入り、50番宿の水口宿を通り抜け、土山まで来ると街道の両脇に小さな茶畑が出現し始め、さらに走ると49番宿の宿場町へと着きました。ここで江戸時代の商家を使い、訪れる皆さんに癒しの一時を提供されている、民芸・茶房「うかい屋」ご主人で、「土山の町並みを愛する会」監事の鵜飼秀郎さんにお話を伺いました。のれんをくぐり、昔ながらの玄関をガラガラと入ると、まず陶器や民芸品が並んでいます。高い天井に昔の梁(はり)が見え、白壁にボンボン時計がかかっています。
「これが建ったのは、江戸末期の1800年ぐらいだと思われます。『菱屋』の屋号で両替商みたいなことをしていました。今は民芸品の販売と茶房をやってるんですけど、民芸品は近隣の作家の作品の展示販売と、お土産になるような土山の産物などを扱っています」


 
うかい屋店内
 奥は茶房になっています。
「奥の茶房では、ぜんざいやおそば、コーヒーや紅茶をしています。歴史書の名物番付に、東海道の名物として「夕霧そば」が出てきます。東海道で2番目においしいそばが土山にあると。1番と言ってしまうと、あそこの方がうまかったとかいった話になるからかも知れませんね。でも、名前だけしか残っていないので、太ささえも分からない状態です」

 すぐ近くに「東海道伝馬(てんま)館」という施設があります。
「昔の問屋の建物を使って、土山宿に関する展示などをしています。問屋というのは、江戸時代に伝馬制を敷いた時、馬や人夫を置いておいて次の宿場へとつないで行くための、引き継ぎ所です」


 
  うかい屋
 ■営業時間/10:00 〜18:00
 ■定休日/不定休
 ■TEL /0748−66−0168

   昔と今と未来の道が交差    
 


国道1号に架かる
第二名神の高架

 古い町並みが残る東海道をさらに東に行くと、道の駅「あいの土山」のとこで国道1号に合流。さらに少し走ると、第二名神高速道路の高架が造られていました。東海道、国道1号、第二名神が重なるポイントです。今、建設が進んでいる第二名神の大津から甲賀土山までの約28km区間は、2008年度中の開通を目指していましたが、今年8月、1年前倒しして2007年度中になりそうだといううれしい発表がありました。その先、三重県の亀山まで開通すると、大阪から名古屋までを旧東海道ルートで高速ドライブできるようになります。実現する日が遠くありません。夢のようです。


旧東海道はずっと街並みの中を抜けていくので、こちらが“本道”なんだって実感します。国道もいいのですが、時には旧東海道など由緒ある道をじっくりと楽しんでみてはいかがでしょうか。