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  米原にある「癒し」の二宿    
 


磨針峠

 鳥居本宿から国道8号に出て、すぐに右に折れました。右手に「磨針(すりはり)峠」と書かれた大きな石碑。ここは弘法大師の逸話でも有名な磨針峠です。舗装されていますが、歩くと大変な急坂が続き、この先には、戯曲「瞼の母」の主人公「番場の忠太郎」でおなじみの番場宿、そして醒井(さめがい)宿があります。

 ところで、中山道を通らずに醒井に行く場合、国道8号から国道21号へと回っていきますが、国道8号の混雑緩和や沿道環境改善のため、今、米原バイパスを造っています。全10.3kmのうち、既に5.6kmが開通。古い中山道が残る一方で、新しい道も誕生しています。


醒井宿

 

61番宿の醒井宿に到着。街道らしい趣ある家並みが続いていますが、他と違うのは、家々の前に地蔵川の流れがあることです。清流にしか生息しない植物のバイカモと淡水魚のハリヨでも有名です。美しく穏やかな醒井宿について、米原観光ボランティアガイド協会の谷村啓吉さんに伺いました。地蔵川の水源は、宿場内にある「居醒(いざめ)の清水」というわき水です。
「近くの霊仙山という山に降った雪や雨が、ここにこんこんとわき出ているということですね。伝説があり、伊吹山に荒ぶる神が居ると聞いた日本武尊が、丸腰でやって来て退治に山へ入ると、山の神が雲を起こしてひょうを降らし、谷が暗くなったため、行くべき道が分からなくなり、さまよい歩いてやっとのことで山を下りました。そして、ふもとの清水で体を癒し、水を口にすると正気に返ったことから、この辺りの水を“居醒”の清水と言うように
なったということです」



柏原宿

 米原市のもう一つの宿場、60番宿の柏原宿に入ると、紅殻(べんがら)格子を持つ家が多くなり、家の前には昔の屋号の札も掲げられています。「どなたもご存じの百人一首、『かくとだに えやはぶきの さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思いを』という藤原実方(さねかた)の歌にあるように、ここはもぐさが有名だったようで、江戸時代の多い時には10軒近くのもぐさ屋があって、どこも亀屋何々というふうな屋号にしていました。原料が有名な伊吹山で取れたヨモギだと言えば、薬効がいいように聞こえ、よく売れたんでしょうね。和宮が文久元年に御降嫁された時、この柏原宿で泊まられましたが、大変な行列で、たくさんのもぐさが売れたようです」
 

 
柏原店はもぐさ屋の福助がシンボル
これは銀行のショーウインドウ


  米原観光ボランティアガイド協会
■ガイド料/無料
  *ガイド1人につき交通費1000円
■申し込み/米原市商工観光課
         0749−58−2227


通ったり運んだりする機能だけでなく、交流したり楽しんだりといった、道が持ついろいろな機能をもっと大切にしようと、「日本風景街道」の取り組みが行われています。学識者や経済界、民間団体などの代表が集まり、「日本風景街道戦略会議」を開催していて、近畿では13ルートが日本風景街道の候補ルートになっています。その一つが、「シーニックバイウェイ 琵琶湖・中山道」。近畿は歴史や自然に恵まれていますから、こうしたルートがはっきり示されると、予備知識のない人でも、道を通じて各地域の魅力に触れやすくなります。