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険しさの先に癒しが待つ街道を行く
滋賀県草津市。大きな道標があり、「右 東海道いせみち」「左 中仙道美のぢ」と刻まれています。ここは東海道と中山道の分岐点で、お地蔵さんや高札場跡もあってまさに宿場の雰囲気。今回は、ここから岐阜県に近い柏原(かしわばら)宿まで、中山道の旅を楽しみます。中山道は、木曽路を通る険しい山道でしたが、皇女和宮(かずのみや)が十四代将軍徳川家茂(いえもち)へと降嫁した道としても有名です。



    宿場に残る古い旅籠 
 


武佐宿

 草津宿を出発し、途中、今宿一里塚を通り、67番宿の守山宿に入ると、細身の仁王さんがいる比叡山東門院守山寺がありました。最澄が比叡山を開いた時、東の門として造られたお寺で、比叡山を守る寺なので守山寺となり、地名の由来ともなりました。

 次の武佐(むさ)宿(近江八幡市)では、江戸時代の面影を残す旅籠(はたご)の「中村屋」が今も営業し、その向かいには本陣の門が残っていました。虫籠窓(むしこまど)のある街並みも、少しだけ見ることができます。


愛知川宿「ポケットパーク」

 愛知川を渡って愛荘町に入り、「中山道愛知川宿」と書かれたアーチをくぐると、宿場町の面影を残す古い家が並び、「旅籠『竹の子屋 平八』」と書かれたちょうちんが両側にぶら下がり、見越しの松がある立派な門構えの料亭がありました。その先には、歌川広重の浮世絵を大きなボードで表示している「ポケットパーク」や、愛知川宿で伝承されている「びんてまり」を展示する「びんてまりの館」もあります。 

   「鳥居」に関わる彦根の二宿    
 

高宮宿

 犬上川を渡ると、そこはもう高宮宿(彦根市)。少し北へ行くと、江戸時代に出来た大きな石造りの「多賀大社一の鳥居」があります。ここからは、彦根ボランティアガイド協会の松本正勝さんに案内をお願いしました。
「ここは中山道で2番目に大きな宿場であり、高宮上布という麻織物の集散所としてもにぎわったため、少し横道に入ると大きな蔵などを散見することができます。また、約4〜5km先にある多賀大社参詣の入り口でもあり、昔は国道8号に向かう西への道がなかったため、参詣の時にはみんなこの宿場道を通りました」

有川製薬は築200年

 高宮宿を出て北へ。彦根市の北の端にある鳥居本宿には、昔かっぱ屋だったことを示す木の看板が残っています。
「『鳥居本の三つの赤』と言われています。油紙に柿渋を塗って作った茶色っぽいかっぱの赤。一時期、大変盛んに出荷されておった『鳥居本スイカ』の赤。そして、古くから商われております有川製薬さんの『赤玉神教丸』の赤です。有川製薬さんの建物は築200年で、明治天皇が北陸行幸の際に小休憩された部屋もあります」



有川智子さん

 お店の横には昔ながらの赤いポスト。ガラガラと扉を開け、中にお邪魔させていただき、有川智子さんに伺いました。昔ながらの漢方薬がいっぱいびんに入っています。
「赤玉神教丸は腹痛のお薬で、中山道の道中薬として、旅人が買い求めて旅を続けられたと聞いています。2008年で350年の歴史を迎えさせていただきます」


 彦根ボランティアガイド協会
■ガイド料/無料
  *ガイド1人につき交通費1000円
■申し込み/彦根市観光案内所
         0749−22−2954