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最先端の道、京奈和自動車道が続々開通!
新年度、近畿道ものがたりは、稲野一美の出身地である京都市内南部の旧街道を連続で特集することにしました。第一弾は「伏見街道」です。豊臣秀吉は、伏見城を築いてその晩年を過ごしましたが、京都と伏見を結ぶ道がその伏見街道です。今でも昔ながらの町並みが残っていて、伏見稲荷など訪れる価値のあるところがいっぱいです。地元の人たちが楽しんでいる穴場の花見スポットを含めて、今回はまとめてご紹介します。



  奈良の二大寺院を“再現”    <伏見街道の地図はこちら>
 

国宝・東福寺三門
 大阪から名神高速道路を走り、京都の市街地に入りました。東山区の五条大橋東詰から3筋東が、伏見街道の北の入り口です。そこから2kmほど下ったところ、まずは臨済宗大本山東福寺に来ました。ウグイスが鳴く中でお話を伺ったのは、寺務長の永井慶洲(けいしゅう)さんです。
「東福寺の名は、鎌倉時代に摂政関白の九条道家により建立される際、奈良最大の寺院である東大寺と最も隆盛を極めた興福寺から1字ずつ取って、付けられました。伽藍の大きいことでよく知られていますが、とくに国宝の三門は有名です。空門(くうもん)、無相門、無作門という三つの解脱門があり、造りは『天竺(てんじく)様』という東大寺に近い造りと、後の『禅宗様』を併せ持ったものになっています」



方丈八相庭園

 伏見人形とも関係があると聞きました。
「ここの開山堂に安置されている三国(インド、中国、日本)伝来の布袋(ほてい)像は、土を焼いた塑像(そぞう)ですが、そのミニチュア版を作ったのが伏見人形の起こりだと言われております。ここから南の方へ下がっていただければ、そういうお店があります」


 
臨済宗大本山東福寺

■拝観時間/9:00 〜16:00

■拝観料/
  通天橋・開山堂=大人400 円、
             小中学生300 円

  方丈八相庭園=大人400 円、
             小中学生300 円

■TEL /075-561-0087

  伏見人形の窯元
 

色鮮やかな伏見人形
 伏見区との境界近くに、少し趣のある建物が出てきました。虫籠窓(むしこまど)がある中二階の建物で、ショーウインドーに色とりどりの柔らかい顔立ちの人形が並んでいます。ここは昔ながらの技法で伏見人形を作っている窯元の「丹嘉」。七代目ご主人の大西時夫さんにお話を伺いました。人形たちが実にカラフルです。
「中間色をあまり使わず、原色がメインなので華やかになるんですね。伏見人形2000種類ぐらいあって、今、完成しているのは、そのうちの100ちょっと。まだほんの一部ですが、色とりどりですよね。粘土を素焼きした上に、泥絵の具を塗ります」


丹嘉の工房

 伏見人形は、どれぐらいの歴史があるのでしょう。
「文献的には400年ぐらいさかのぼれますが、それ以前に誰がどう始めたのかは分かっていないんです。定説になりつつある、土師部(はじべ)の流れをくんだ人たちの遊びから発生した、ということでいいのではないでしょうか。土師部は、深草の里に住んで土器を作りなさいという命を朝廷から受けた人たちです。ここ稲荷山は人形の土、もう少し南は桃山城の屋根瓦を焼いた土、北へ行くと清水焼の土が出ましたから、焼き物に適した土があったんでしょうね」

  おまんじゅうを割って、左右の手に持っている小僧さんの人形があります。
「伏見人形イコール『まんじゅう食い』人形と思われているほど有名です。『お父さんとお母さんとで、どっちが好きや』と聞かれた時、持っているおまんじゅうを二つに割って、『どっちがおいしいですか』と問い返し、一つのものを二つに割って比べられないということを示したことから、これを家に置いておくと子供が利発になると言われています。また、『へんねし子』と言って、子供のいない家に置いておくと、人形に焼き餅を焼いて子供が出来るとも言われています」



   丹嘉
  
  ■営業時間/9:00〜18:00
  ■定休日/日曜・祝日
  ■TEL /075-561-1627