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  法隆寺を支えた土地     <斑鳩寺の地図はこちら>
 


斑鳩寺の多宝塔

 山陽自動車道の龍野インターから10分、太子町に驚きの地名を見つけました。「鵤(いかるが)」です。そして、その中心地にある斑鳩寺を訪れています。塀に入った5本線が寺格の高さを伺わせ、仁王の立つ門をくぐると左に「聖徳殿」があります。ご住職の大谷康文(こうぶん)さんにお話を伺いました。どうして兵庫県の太子に「いかるが」があるのでしょうか。
「1400年前の推古14(606)年、聖徳太子さんが飛鳥の橘寺で勝鬘(しょうまん)経を御講讃され、その時のお礼として播磨の水田100町をもらわれました。それがこの辺の土地で、聖徳太子さんのご寄進により法隆寺の荘園となりました。それからざっと1000年にわたり、法隆寺を経済的に支えたのがこの『鵤荘(いかるがのしょう)』と言えます。法隆寺の石(こく)高の半分以上を占める非常に大事な場所でした」


奥殿(八角堂)

 聖徳殿の奥には、八角形の緑色の屋根が三層になった建物があります。
「奥にあるので『奥殿』と呼んでいて、16歳の聖徳太子さんのお像を安置しています。聖徳太子さんが水に映った自分の姿を像に刻まれ、また自らの髪の毛を植えられたという言い伝えが残っていますので、お像の毛は聖徳太子さんの髪の毛というわけです。衣も着けていますが、ほこりがついたり傷んだりしてきますので、60年をめどに衣替えをします。現在の衣は、昭和37年に高松宮殿下が来られ、ご寄進いただいたものです。このお像は、左手に持った柄香炉で仏教を、右手に持った笏(しゃく)で神道を表しているため、神仏両道のお姿と呼んでいます。2月22日の命日に行う『太子会式(えしき)』という法要の当日はお扉を開けますので、どなたでもご覧いただけます。なお、当日は露店が200軒近く並び、聖徳太子さんが大工の神様のため大工道具を扱う金物店や植木屋さんを目当てに来られる方も多いんです」


中央のぼう示石を保存して
道路が造られている

 太子町に残る太子ゆかりのものが、他にもあるようです。
「有名なものでは『ぼう示(ぼうじ)石』があります。この寺から東南の方角に檀特山(だんとくさん)という山があり、そこに聖徳太子さんが登られてもらわれた土地を確認し、境を定めるために大きな自然石を山の上から投げたとかはじいたとか言う伝説があります。昔の荘園図の図面を見ますと、10個余りありますが、現在では五つ六つ確認されています。なかには腰掛けるのにいい形の石もありますが、そうすると腹を壊すと言われているほど、地元では大事にされています」

 斑鳩寺
■拝観時間/9:00〜17:00
■拝観料/無料 *宝物館は300 円
■TEL /079−276−0022

   太子自慢の手作りみそ
 

太子みそ
 歴史物語を楽しんだ後は、おいしいものを。昨年、「ひょうご認証食品」となった自慢の「太子みそ」は、安心安全な材料を使って地元農家の女性たちが造った逸品です。「太子町加工グループ」代表の長谷川寿子(ひさこ)さんにお話を伺いました。
「この太子みそは平成16年から造り始めたんですが、太子みそという名前のみそは、自家消費用として30年も前からありました。でも、この度、太子町が合併せず単独でいくことになり、何か特産品を用意しないとだめやなということで、みんなが立ち上がって商品化したわけです。味の特長は、まろやかさとです。『お母さんの味』と私たちは言っていますが、塩辛さがないんです。白みそに近いですね。つぶしきれない大豆がちょっと残っていますが、それも素材の良さを表す証拠やなと思っています」


いちじくジャムを試食

 これを使った商品も開発されているそうです。
「町内の居酒屋さんでは、『太子みそコロッケ』が好評です。ポテトの中に少し太子みそが練り込んであるんでしょうね。ほのかに香るという感じです。また、太子町商工会のメンバーが考えてくれた『みそあめ』もあります。太子みその香りがして、風味がいいんです」

 太子町加工グループ
■TEL /080−6121−6191
      (平日9:00〜17:00 )
     *地方発送可能


斑鳩町の「平方(ひらかた)の里」にある傍示石は、なんと道の真ん中にあり、横には「県指定文化財鵤荘傍示石」と表示された説明書きが建っています。しかし、両側を車がびゅんびゅん通るちょっとおもしろい風景が楽しめます。