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広がる道、南へ延びる道をドライブ
真冬の寒さを避け、南へドイラブすることにしました。目指すは、アメリカ村です。と言っても、大阪ミナミのアメリカ村ではなく、和歌山県です。御坊市の西、美浜町にある日の岬手前にアメリカ村があるそうです。どんなところなのでしょうか。一体、何か待っているのでしょうか。それでは、昨年夏の1泊ドライブ旅行以来の和歌山県へと出発します。



   来年春、新たに開通!     <阪和自動車道の地図はこちら>
 

阪和自動車道
左に新しいトンネルが見える

 阪和自動車道をドライブ。和歌山市を過ぎて海南市に入りました。以前、海南〜吉備インター間は一般有料道路「海南湯浅道路」でしたが、一昨年4月より吉備まで高速道路「阪和自動車道」となり、吉備〜御坊インター間のみ一般有料道路「湯浅御坊道路」で、御坊より先も「阪和自動車道」という状態になりました。ところで、海南〜吉備インター間は、今、拡幅工事が行われていて、片側1車線・合計2車線から片側2車線・合計4車線となります。走っていると、工事を知らせる横断幕や横に掘られている新しいトンネルが見えます。一方、延長工事も、みなべ〜田辺インター間の2007年度中開通を目指して行われていて、その一部であるみなべ町の「高津山トンネル」が、昨年暮れに貫通したそうです。

   漁港に点在する洋館風の家。  <アメリカ村の地図はこちら>
 

美浜町三尾の「アメリカ村」
 湯浅御坊道路を御坊インターで降り、西へ15分ほど走りました。国道42号を越え、御坊の市街を抜けて日の岬手前まで来ると、「アメリカ村」と書かれたバス停がありました。山と海に囲まれた細長い漁港ですが、メイン道路を少し入ると、水色に塗られた洋風の木造住宅があちこちにあります。これぞアメリカ村。その代表的な建物である野田邸の前で、「アメリカ村カナダ移民資料館」の西浜久計(ひさかず)館長にお話を伺いました。
「昭和の初めからこういう景色がありました。和服が普通だった当時も、ここの女性たちは、普段も外出時も全部洋装。おじいさんやおばあさんも、ハイカラ、真っ赤な服装をして、マドロスパイプをくゆらし、英語交じりの日本語を話すという、アメリカ村として有名になりました。カナダから戻った人もいますが、本人自身はカナダで働きながら、妻子を帰国させ、家を建て替えた人もいます」

 
野田邸
 どうして、多くの方がここからカナダへ行ったのでしょう。
「ここの人たちは、江戸時代、小舟で千葉県の方まで行き、漁をしたり漁法を伝えたりしました。『板子一枚下は地獄』という小舟で関東へ行くという、海洋民族的な進取の気性があったわけです。しかし、思いつきでカナダへ渡ったわけではなく、工野儀兵衛という先覚者が、ここに港を築きたいと思ったのですが、金銭面で折り合いがつかなかったため、自分でお金をもうけて堤防を造ってやろうという大きな夢を持ちました。そこへ、カナダ通いの貨物船員だったいとこから、サケの好漁場があるバンクーバーへ行かないかという手紙が来ました。彼は、まず横浜で3年間にわたって研究をした上、明治21年に単身カナダに渡りました。現地で『フレーザー川にサケがわく』と表現されるほどの状況に驚き、こちらにそれを知らせたところ、翌年に数人が渡りました。そして、その人たちがまた手紙を送ってくるため、やがてカナダへ集団的に渡っていくようになりました」

 

ドル寄進の名簿 弗=$
 ここにくる途中、普通の浄土宗のお寺に立ち寄りましたが、そこには寄進者の名簿の木札が掛かっていました、なんと額がドル表示されていました。
「『ドル寄進』と言います。学者も珍しがって、よく論文に書いたりしています。お寺の改築をする際に、地元だけでなく、カナダからも寄進を求めました。お宮さんも同じくドル寄進により改築されました」

 

資料館にはカウチンセーターなどの
衣類も並ぶ
 アメリカ村から車で5分少し、海に囲まれた「日の岬パーク」の一番高いところにある「アメリカ村カナダ移民資料館」に来ました。
「工野儀兵衛が行ったよりも10年早く、(長崎県出身の)永野万蔵が日本人初のカナダ移民となりました。その100年祭を行った際、3世や4世たちが写真などを集め、『千金の夢』という写真集を出し、同時にパネルにしてカナダと日本の主な都市を巡回しました。それをきっかけに、この資料館は昭和53年に出来ました」

 写真や道具類、昔の方が着ていたカウチンセーターやオーバーオールなどが展示されている中、ミートチョッパーなるものがあります。
「主に向こうで使ったものですが、一部の人は、持って帰ってこちらでも使いました。こんな田舎ですので、普通ですと御坊まで行かないと肉屋さんはないんですけど、私が子供の時分も、肉屋さんが出張所のようなものを出して肉を売っておりました

 アメリカ村カナダ移民資料館
 ■開館時間/9:00〜17:30
 ■休館日/なし
 ■入館料/100 円
 ■TEL /0738−62−2326

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