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   お局様とおいしいものの町              
 

大陸的な感じがある興禅寺

 春日和田山道路で春日インターまで戻り、国道175号を西へ、さらに北へ折れて山道を走ると「興禅寺」に着きました。ここ丹波市春日町は「黒井城」があった町で、その城跡の山のふもとにあるお寺です。ここは徳川三代将軍家光の乳母だった春日局(かすがのつぼね)とも縁があるとのこと。ご案内いただいたのは、春日町観光協会事務局の矢持(やもち)智子さんと、春日町の町おこしに取り組んでいる農家の婦木(ふき)克則さんです。
 まずは、春日局について矢持さんにお伺いしました。
「春日局の父親は明智光秀に仕えていた斎藤利三(としみつ)で、黒井城を任されていました。戦国時代の城主は、平和時には下館(しもやかた)で生活し、戦いが始まると山城にこもりましたが、その下館跡に造られたのが興禅寺で、七間濠(ぼり)や高い石垣、白い壁なんかが当時の面影を残し、国の指定史跡になっています」



お幅の産湯井戸

  
 
幼名をお福といった春日局は、ここで生まれ育ったようです。
「3歳までこちらでお過ごし、そのかれんさと利発さで城下の人たちの目を引き、誰からも愛されたと言い伝えられています。『お福の産湯井戸』が奥にあって、何百年も水を絶やしていません。お福は稲葉正成と結婚しましたが、その後はいろいろな説があって、乳母になるまでのいきさつははっきりしません」


下館の面影を残す石垣や濠
 春日町は高級和菓子に使われる大納言小豆(あずき)の発祥地であり、丹波市は県下一の収穫量を誇るとのこと。サクランボ狩りやスモモも取れるそうですが、丹波の味覚といえば、農家の婦木さんです。
「私のところはトウモロコシはじめいろんなものを作っていて、これからトマトやナス、キュウリなどの夏野菜やスイカが、いっぱい取れます。トウモロコシは生で食べてもおいしいぐらい甘く、7月になるとこの町ではどんどん取れていきますね」

 




興禅寺前にある展示施設「春日局庵」
 町興しの取り組みについて伺いました。
「農業でいろんな魅力を発信し、この地域に伝わる技術や伝統を大切にしていきたいと思い、春日インターのすぐ横に、来年4月、道の駅を開設するよう準備を進めております。申請中の名称は『丹波おばあちゃんの里』で、丹波に古里を感じていただけるような建物やお持て成しを準備しています。新鮮な農産物、おばあちゃんたちの手作りの食べ物、竹カゴやわら細工などの品ぞろえをして、地域の魅力を満載した道の駅を目指します。丹波の味覚、自然、おじいちゃんおばあちゃんの技、それから一番大事な故郷を思う心を、我々が引き継いで発信していきたいと思っています」

 


謎いっぱいの氷上町、春日局の春日町。春日和田山道路なら5〜6分で行き来できます。この新しい道を走れば、丹波の魅力が再発見できることでしょう。