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   五輪塔がたたずむ清滝峠          <清滝峠の地図はこちら>
 

清滝生駒道路「清滝区間」

 いったん大阪側に戻り、今度は国道163号を東へ。この道は大阪府守口市や四條畷市を通り、生駒市の北部を抜けて、京都府精華町へとつながっています。つまり、関西文化学術研究都市を結ぶ重要な道です。そんな幹線道路なのに、急カーブや急勾配が多い上、気象状態により通行止めになる区間もありました。そこで、四條畷市中野から生駒市鹿畑町(しかはたちょう)までを、片側2車線・合計4車線の安全快適な道にしようと、今、清滝生駒道路を整備中です。四條畷市部分を清滝区間と呼び、全5.3kmのうちの3.6kmが、既に片側1車線・合計2車線で暫定的に開通しています。途中、清滝トンネルがありますが、その上には旧国道163号の険しい山道と清滝峠があります。



逢阪五輪塔

  
 清滝トンネルを東に抜けてUターンし、今度は山越えの旧国道163号を西へ。途中、逢阪地区で車を止め、昔の清滝街道を復活させた「四條畷市歴史散策道」を歩くと、大阪府指定文化財の石造りの五輪塔がたたずんでいました。1336年に鎌倉時代の様式で建てられたもので、ここが元々の清滝峠。「逢坂千軒」と呼ばれた往時の様子がしのばれます。

   氷を運んだ街道
 
蔀屋に残る道標
 四條畷市の市街地方面へと戻り、住宅街の中にある四條畷市立歴史民俗資料館に来ました。四條畷市で出土した旧石器時代から安土桃山時代までの埋蔵文化財などが展示されています。こちらの村上始さんに、清滝街道や清滝峠について伺いました。
「江戸時代初期の絵地図などを見ますと、東西は5本の街道があったようです。一番北にあたるのが清滝街道で、他と比べるとあまり標高が高くなく行き来しやすい道だったようです。四條畷市の一番西端の蔀屋(ひとみや)に自然石の道標が今もあり、そこが清滝街道の起点のようです。東は奈良県の竜田あたりまでが清滝街道だったようですが、今は県境までを清滝街道と呼んでいます」



資料館の展示
 奈良時代になると、おもしろい使われ方をしたようです。「少し南に室池(むろいけ)という大きな池がありますが、平安時代の文献には氷を作っていた氷室だと書いてあり、冬場に水を田んぼに張って氷を作り、それを夏場まで持たせて、京都や奈良に運び出していたといわれています」

 四條畷市立歴史民俗資料館の展示は、展示物が使われていた様子などを楽しいイラストで紹介してあり、子供たちにも好評のようです。
「夏休みは1カ月にわたり『資料館探検隊』と題してクイズなどをしています。参加者にスタンプを押し、集めると考古学の博士ですというような賞状をお渡しします。また、遺跡から出てきた粘土で焼き物を作ったり、その作品のミニ展示会を開いたり、石で勾玉を作ったり、そんなイベントも2カ月に1回しています」

  四條畷市立歴史民俗資料館
 
 ■開館時間/9:30〜17:00
 ■休館日/月曜日(祝日の場合は翌日)、
         年末年始など
 ■入館料/無料
 ■TEL /072-878-4558

 

大阪と奈良を結ぶ2本の重要な道、そして、そこにある峠を訪ねました。暗峠といい、清滝越えといい、道の古代から現代までの様々な顔を見たような気がしました。足に自信のある方、一度歩いてみてはいかがでしょうか。