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   インター名の変更
 


綾部ジャンクション

  舞鶴若狭自動車道に戻り、綾部ジャンクションで京都縦貫自動車道の宮津方面ではなく京都方面へ入ると、ジャンクションの中に綾部北料金所がありました。つまり、京都方面は2.6km先にある終点の綾部安国寺インターまで、今の段階では無料で走れるわけです。京都の久御山ジャンクションまで行くこの道は、綾部安国寺・丹波間と沓掛・久御山間がまだ出来ていません。 ところで、綾部安国寺インターは、当初、「綾部東インター」という名称になる予定でした。しかし、ぜひ観光名所である安国寺の名前を出してほしいという要望が地元から出たため、この名前になりました。私市円山古墳の保存といい、道づくりは常に地元のことを考えながら行われていることが分かります。


  足利尊氏がつかった「産湯の井戸」
 
安国寺仏殿(本堂)
 綾部安国寺インターのすぐ近くにある安国寺に着きました。山寺っぽい石段を上り、木の門をくぐるとびっくり。モミジの新緑が奇麗な境内にドンと出てくる仏殿(本堂)がかやぶきです。詳しいお話をご住職の藤本政秀(せいさん)さんに伺いました。
「かやぶきの屋根は、綾部市ではこの安国寺と、岩王寺(しゃくおうじ)という真言宗のお寺だけです」

 お寺の歴史を伺いました。
「正暦(しょうりゃく)4(933)年に、比叡山の恵心僧都源信(えしんそうずげんしん)という有名な僧の御作である子安地蔵尊を本尊として、真言宗のお寺『光福寺』が開創され、その後、足利尊氏・直義兄弟が全国に安国寺を建立するにあたり、暦応(りゃくおう)4(1341)年に臨済宗へと改宗して丹波の安国寺となりました」



尊氏の「産湯の井戸」
 尊氏の「産湯の井戸」や「足利尊氏公生誕之地」の碑があります。
「京都のお公家さんの勧修寺(かんしゅうじ)家から、こちらの上杉庄に土地をもらって来られたのが、上杉謙信で知られる上杉家初代の上杉重房公です。その次の頼重公には3人のお子がいて、そのうちの一人、上杉清子さんが足利貞氏公と結ばれて生まれたのが、尊氏と直義です。清子さんはこちらに里帰りしてお産をされたため、産湯の井戸があり、ここが尊氏誕生の場所だと伝わっているわけです」

 インターからここまでの旧道っぽい道には、「右 京道」と書かれた道標がありました。
「安国寺のお墓の前の通りは、『京海道』という舞鶴から京都へ行くメインロードでした。今は国道27号がありますけど、昔は京海道を通り、山を越えて京都へ行きました。京都縦貫自動車道が通っているのも、因縁めいたものを感じます。安国寺を通らない道も想定できたわけですから。(綾部には)見ていただくところがたくさんあり、京都縦貫自動車道が延びて全線開通すれば、京都市以東からもいろんな皆さんに大勢来ていただけます」

 

  丹波景徳山 安国寺

 ■拝観自由
   *仏殿を開けた場合は志を
 ■TEL /0773-44-1565

 

高速道路の上にある古墳とインターの名前になったお寺。いつものように通りがかるだけではなく、実際に訪ねてみると新たな発見があります。奥深い“道ものがたり”が描けそうな1日になりました。