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歴史、琵琶湖、冬鳥、グルメを堪能
あと2週間もすれば桜の季節。日も長くなり、たっぷりドライブが楽しめるようになりました。今回は滋賀県の湖北へと足を延ばすことにしました。2月に浅井町やびわ町と合併した長浜市では、三代目長浜城主だった山内一豊と千代に関する催しが行われています。また、春に行われる長浜曳山まつりが、今年は普段にない大がかりなものとなるようです。今、長浜では何が起きているのでしょうか。



  20数年ぶりの“大祭”    <長浜市の地図はこちら>
 

長浜の道
 名神高速を順調にドライブし、米原ジャンクションを経て北陸道へ。霧で雪化粧した伊吹山は拝めませんでしたが、長浜インターから10分ほどで長浜市の観光名所の「黒壁スクエア」に到着。そこに隣接する「曳山博物館」にやって来ました。ここでは動く美術館と言われる曳山をはじめ、曳山まつりに関するいろいろな展示が行われています。また、今は「北近江一豊・千代博覧会」も開催中です。学芸員の森岡榮一さんに伺いました。曳山は実にけんらん豪華です。
「長浜の町衆が、たくさんのお金をかけて作ったものです。曳山まつりは長浜八幡宮の春の祭礼で、曳山の舞台の上で子供が本格的な歌舞伎を行います。三味線と浄瑠璃に合わせて行う『丸本物』と呼ばれる歌舞伎です」


曳山博物館に展示されている山車

 ここに展示されている曳山は2基ですが、全部で何台あるのでしょうか。
「子供狂言を行う舞台付きの曳山は12基あり、これとは違う『長刀(なぎなた)山』を入れると13基になります。戦前は毎年12基全部が出て子供狂言をしていましたが、上演に500〜600万円かかるため、戦後は4基ずつ、3年交代で出るようになりました。舞台に上がるのは12歳までの男の子4〜5人です。普通の大歌舞伎の一番いいところを脚色し、30〜40分にまとめて演じます。本日(ほんび)は4月の15日で、今年は長浜市の合併を記念し、20数年ぶりに全部の曳山が御旅所に出ますが、歌舞伎を行うのは4基だけです」


曳山の解体修理も博物館で
行われ、様子が公開されている

 どうしてこのようなお祭りが始まったのでしょうか。
「起源は坂田八幡宮のお祭だった『太刀渡り』で、秀吉がそれを復活して始まりました。歌舞伎を山車の上に乗せようと考えたのは長浜の町衆のようで、長浜仏壇の職人、藤岡和泉が舞台付きの山車を作りました。小さなパーツの多くは長浜仏壇の形を踏襲し、織物は16世紀のベルギー・ブリュッセル製のタペストリーを切断して『見送幕』に使っていて、重要文化財のものもあります。飾り金具は祇園祭よりも50年ぐらい早く付けられていて、山車を金色で飾る意識がかなり強かった。秀吉や江戸幕府が長浜を免租地にしたため、それを裏打ちする商人たちに
財力があったわけです」



一豊・千代博覧会で
展示中のフィギュア

 開催中の「北近江 一豊・千代博覧会」は、ここを含めて3カ所が会場です。
「長浜城と大通寺とここです。ここでは、一豊と千代の物語を体感していただくため、一豊と千代が暮らした湖北の衛星写真や、黒壁スクエアにある『海洋堂フィギュアミュージアム黒壁』の造形士さんが作った一豊と千代の物語の何場面かを展示しています。また、一豊と千代の物語を、平日は映像で、土曜日曜祝日は紙芝居で見ていただきます。隔週日曜は『山内一豊の妻』という講談も行っていて、“ローテク”の博覧会をお楽しみいただいています」



   曳山博物館
 ■開館時間/9:00〜17:00 (入館は16:30 まで)
 ■休館日/年末年始
 ■入館料/大人600 円、小中学生300 円
 ■TEL /0749−65−3300
  *北近江一豊・千代博覧会は
   11月30日まで開催
   3会場共通券/
     大人1000円、小中学生300 円