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   身近な道路も着々と           
 

稲野 生活者にとって身近な道の整備も大切ですね。
藤本 駅で進んでいるエスカレーターやエレベーターなどの設置に合わせて、その周辺道路を中心にバリアフリー化を重点的に行っていて、平成19年度までにバリアフリー化率を約50%にします。また、電線の地中化をすると、歩道が広くなり、都市景観も良くなる上、地下にライフラインを埋めるため災害にも強くなるという意味で積極的に行っており、平成20年までに市街地の幹線道路で地中化率を約9%へと高めます。

稲野 外国の方にも使いやすい道づくりが大切ですね。
藤本 そうです。全国に先駆けて「自律移動支援プロジェクト」に取り組んでいて、歩道や駅、建物の入り口などにICタグという発信機を取り付け、歩行者が携帯端末で道案内などの情報を受信することができ、視覚障害者も白杖を通じて情報が受信できる。また、日本語が分からない外国の方には、英語や中国語などでの説明が出る。そういうシステムを昨年11月から12月にかけて実験しました。今年は神戸空港にまで実験場所を広げたいと思っています。

 

津波被害が心配される国道42号(新宮市)
高架の紀勢線の早期整備が期待される

稲野 走りやすい道づくりについて、お聞かせください。
藤本 排水性舗装と透水性舗装を行っています。排水性舗装は舗装層の真ん中ぐらいまで水がしみ込んで、側溝へ水を流して排水しますが、透水性舗装は下の土までしみ込むため水が側溝に直接流れず、遊水機能により大雨の時の流出抑制になる上、ヒートアイランド対策にもなります。既に直轄国道の約40%が排水性舗装となり、透水性舗装も管内5カ所で実施し、耐久性などを調べています。

稲野 災害でいうと、心配なのが地震ですね。
藤本 今後30年の間に、紀伊半島沖合での東南海地震が約60%の確率で起こると言われています。地震に強い道づくりのため、とくに橋の補強を行っており、対象となる直轄国道の639橋での対策を平成19年度までにおおむね終える予定で、これにより緊急時でも輸送道路が確保できます。津波対策では、例えば、近畿自動車道紀勢線を紀伊半島にぐるりと造っていますが、高架のため津波でも水につかりません。


今年も元気を発信
稲野 最後に、今年の抱負をお聞かせください。
藤本 道路を含めて社会資本整備は息の長い仕事です。世界が予算を大幅に増額しつつ積極的に取り組んでいるこの問題について、財政が厳しい我が国はこれからどう整備していくか、国民の皆さんと大いに議論をしていく必要があります。また、日本全体の景気が段々と良くなっているなかで、関西がその元気の推進力になれるよう、皆さんと一緒に取り組んでいきたいと思っております。
 

2006年も「近畿道ものがたり」をよろしくお願いします。