近畿・道ものがたり　2005.11.13　冠山峠道路

　　　美しい紅葉、でも通行止め　　　　　　　　　　　

冠山峠へ行く林道

　越前市を出て国道417号を東へ。東隣の池田町の中心街を抜け、山の方に入ってくると、途中まで片側１車線・合計２車線あったものの、段々と狭くなってきて車がすれ違うのもつらくなりました。左は山、右は崖。岐阜県大垣市まで行くこの幹線道路は、通行不能区間があって、福井と岐阜の県境にある冠山を中心に一定区間が通行不能です。その区間には林道が通っているものの、細くて曲がりくねり、落石や道そのものが崩れる危険性もある大変な道だそうです。また、今は去年の福井豪雨でその林道も通り抜けができなくなっています。こういう状態では幹線道路としての機能を果たしていませんし、福井県と岐阜県の地域交流もままなりません。そこで、ここに「冠山峠道路」が建設されようとしていて、今、着工するための調査中だそうです。約８kmある片側１車線・合計２車線の真っすぐなこの道が完成すると、鯖江市から大垣市へ行く場合、国道８号や国道21号を使うのに比べて約50分早くなるそうです。

　　秘境の宿、見つけた

清流の横に立つ天池乃宿

　通行止めの林道から国道417号に戻り、脇道に入って川沿いに上ると、秘境の宿と養鱒（ようそん）場が一緒になった施設がありました。「天池（あまいけ）乃宿」と「中田養鱒場」です。養殖池に魚が泳ぎ、いいにおいも漂ってきました。炭火で何かを焼いています。坂飛三則（さびみつのり）さんにお話を伺いました。

「イワナですね。県外の方も、こちらの魚はおいしいって言ってくれます。水が冷たくて、ミネラルがちょっと混ざっているからでしょうか。川がうまい具合に敷地に走っていますから、河原でバーベキューもできます。道具を持ち込んでもらえば、場所も無料です。釣った魚を自分で焼いて食べられます」

炭焼工房　炭も自前で調達

　紅葉の見ごろはいつでしょうか。
「今からぐらいかな。今年はちょっと遅いですよね。10日ぐらい遅いかな」
　食事の後、飛坂さんはお客さんと一緒に飲むとのこと。それがここの一番の人気だそうです。

　天池乃宿・中田養鱒場
　 ■TEL／0778-44-6468

これまでも冬期通行止めの国道は走ったことがありましたが、林道で危険なので行けないとか、普通の乗用車では入って行けないとかいう国道は初めてで驚きました。でも、この自然は本当に気持ちよく、来たかいがありました。