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   昔ながらのしょうゆ造りと街並み           
 


湯浅町・北町の古い街並み

 吉備町から15分ぐらい走って、東隣の湯浅町にやって来ました。しょうゆ造りで栄えた古い街並みから、みそのような香りがしてきます。しょうゆ製造の老舗、角長(かどちょう)にお邪魔し、工場を見学させていただいた後、「角長醤油記念館職人蔵」で専務取締役の加納誠さんにお話を伺いました。いろんな道具が展示されています。
「ここは元々仕込み蔵で、慶応2年に出来ました。湯浅はしょうゆの発祥地ですが、何もかもなくなってしまうと、歴史みたいなものまでなくなってしまうので、少しでも残したいと社長が古い道具類を展示して保存し始めました。人に見てもらったら、手入れも掃除もするし、保存できるやないですか。それで、確か昭和59年に自分たちでこのように造ったら、お客さんが結構来てくれるもんですから、また新しく造ろうやないかということになり、今は資料館2棟でやっています」

 

熟成を待つしょうゆの”もと”

 工場には、直径2mほどのおけをどっぷりと埋める物がありました。ちょっとなめたら、食感はみそなのに味はしょうゆという不思議な感じでした。
「あれはしょうゆのもとなんですね。蒸した大豆と炒って砕いた小麦にこうじ菌を加え、こうじが原料についたら塩水を混ぜ合わせて仕込み、発酵させたものです。上は黒くても中は赤褐色。昔はあれを『もろみみそ』と言いました。あの状態で1年から1年半置きます。うちは昔ながらのやり方ですから、やっぱりそれぐらいは必要です。発酵が始まるとかき混ぜますが、回数は発酵の度合いによります。しょうゆは生き物ですから、これを相手にどうだましだましやっていくかが一番難しいですね。向こうはものを言わないし、こっちは自分の思うようにしたいし、そうした葛藤がものすごいあるわけです」


北町の家々には
こんな飾りが掛けられている
 
  角長は天保12(1841)年創業とのこと。周囲にも興味深い街並みが続いています。
「湯浅のこの北町かいわいっていうのが、昔のメインの通りだったわけですね。それで、昔からのしょうゆ屋さんの建物など、いろんなものが残っています。この通りを国から伝統的建造物群保存地域に選定してもらおうと、もう5年ぐらい運動をしています」



 
  角長醤油記念館職人蔵・新館

 ■入館料/無料
 ■開館時間/9:00 〜17:00
 ■休館日/日曜日
 
■TEL /0737-62-2035
 

甘酸っぱいミカンの香りとおしょうゆの香ばしさは、もう最高でした。また、湯浅町は町のどこにいてもタイムスリップしたかのような気分になれるところで、熊野古道の大きな碑の横にある“年代もの”の駄菓子屋さんで、思わず紙風船を買ってしまいました。