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国体に向かって元気を発信する兵庫の道!
10月に入り、近畿道ものがたりも本格的な秋バージョンに突入。第一弾として兵庫県の但馬に行くことにしました。但馬なら、そばもビーフもカニもおいしいのですが、今回は食べ物ではなく、内陸から文化の香り高くお伝えします。今年4月からの市町村合併ラッシュで新しく誕生した朝来市と養父(やぶ)市を訪ねて、歴史や文化の話題を探るドライブを楽しみます。



  兵庫県が元気、関西も元気!    <播但連絡道路の地図はこちら>
 

播但連絡道路
 ツーリングを楽しむライダーたちが気持ち良さそうに走る中国自動車道を西へ行き、福崎インターから播但連絡道路に入りました。中国自動車道と山陽自動車道という2本の大動脈を縦に結び付けるのは、この播但連絡道路と舞鶴若狭自動車道。もう少し西では播磨自動車道も延びつつあります。今、兵庫県は元気いっぱい。多くの道路整備が進んでいて、「北近畿豊岡自動車道」が春日ジャンクションから氷上インターまで既に開通。来年の「のじぎく兵庫国体」開催時には和田山まで延びて、播但連絡道路とつながります。さらに、「鳥取豊岡宮津自動車道」のうち、香住インターから佐津インターまでの約6kmが、国道178号「香住道路」として今年3月に開通しています。関西における高速道路ネットワークの充実ぶりは、とても楽しみです。

  城跡と家具の“竹田”
 

竹田城跡・南千畳

 播但連絡道路の終点・和田山インターを降りて国道312号を南へ10分ほど走ると、右手に「古城山」という大きな山があり、その山頂全体にまるで要塞のような古い城跡があります。ここは朝来市の旧和田山町竹田地区。代表的名所の竹田城跡は、石垣が三方に張り出すような形で、映画のロケ地としてもしばしば使われています。お城の歴史について、朝来市観光ボランティア・ガイド会長の小屋敷憲二さんに伺いました。
「山上にある城跡で総石垣というのは、全国的にもまれじゃないかなと思います。天守台を中心に『南千畳』『北千畳』『花屋敷』が延び、南北400mぐらいあります。この石垣の城は420年ほど前に赤松秀広が造りましたが、それ以前に、但馬の守護大名・山名宗全が、播州・赤松氏や丹波・細川氏から守るため、交通の便のいいこの古城山に目をつけて、家来の太田垣氏に城を造らせました。まだ石垣がなく、土塁を盛り上げて柵を巡らす砦のような城でした」


穴太積みの石垣


 続いて、見事な石垣について、朝来市観光ボランティア・ガイド副会長の神谷武雄さんに伺いました。

「滋賀県の坂本にいる『穴太衆(あのうしゅう)』という石積み職人の棟梁(とうりょう)を、秀吉の全面的な後押しで100人ほど呼び、野面積(のづらづみ)の石垣を造らせました。野面積は見ての通り、石が“行きたい”というところへ石を持っていくのが特徴です」


古城山
山頂に城跡、ふもとに家具店
 最後に、元家具職人の若林誠治さんに竹田家具のことを伺いました。
「終戦後から昭和30年代後半ぐらいまでは、竹田では高級家具や婚礼家具をどんどん作りました。しかし、それより以前はもっと大衆向けの家具を作っていた。但馬、丹波、丹後は養蚕が盛んで製糸工場がたくさんあり、女工さんを募集するのに『何年勤めたらこういう婚礼家具を出してやろう。3年なら…5年なら…』と家具を目玉に使ったんです。ただ、そんな高級なものは出せませんので、大衆向けのものが求められました。竹田は田畑が少ないため商人が多く、信用を売ることを大事にしております。家具を買っていただいた方の子や孫に至るまで得意さんになっていただきたいと、必ず店主がお相手して、引き出しの裏まで見せる売り方をします」


一本柳交差点
 
 国道312号を戻り、和田山インターから2kmほど北の一本柳交差点にさしかかりました。国道9号や県道273号と交わる交差点で、以前、週末は観光スポットから京阪神方面に帰る車で大変に混雑していました。しかし、今年7月に2度目の改良工事が終わり、国道312号の北行きの左折専用レーンなどが増えて事情がかなりよくなりました。これでスキーシーズンも楽しみです。