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新時代を担う京滋バイパスと京都第二外環状道路
夏から秋へと変わる季節。これから何でも美しくなりますが、その一つに月があります。今年は9月18日が中秋の名月。そこで今回は、月の名所をドライブすることにしました。目的地は南京都。竹が有名なところが多く、かぐや姫伝説発祥地を主張する町もあります。それでは、いい月を見るため、素敵な夢を見るため、南京都に向けて出発します。


  高速道路をつなぐ京滋バイパスと「にそと」    <大山崎JCTの地図はこちら>
 

京滋バイパス(久御山JCT)
 日本の大動脈である名神高速道路の天王山トンネルを通り、大山崎ジャンクションを経由して京滋バイパスへ入るところです。以前、この辺りの名神高速は慢性的な渋滞に悩まされていましたが、90年代に片側3車線・合計6車線となり、天王山トンネルなどは片側4車線・合計8車線となって、だいぶ状況がよくなりました。しかし、二つのインターがある京都は片側2車線・合計4車線のままだったため渋滞がよく起きていましたが、一昨年夏に京滋バイパスが延び、本当の意味での名神高速のバイパスとなってから大幅に改善。茨木〜栗東インター間の渋滞回数が約7割も減ったという調査結果が出ています。 ところで、京滋バイパスのうち久御山インター以西は、本当は「京都第二外環状道路」と言います。宮津天橋立インターまでの「京都縦貫自動車道」のうち、沓掛インターまでの区間を京都第二外環状道路、略して「にそと」と呼び、整備が進められています。これが出来、さらに丹波〜綾部安国寺インター間が開通すると、大阪や京都から一直線に天橋立まで走り抜けることができます。なお、「にそと」の役割や工事の進み具合などが分かる展示施設「にそと情報館『みちしるべ』」が、今年4月、長岡京市に正式オープンしています。

  中国文化を守りぬくお寺
 

萬福寺の布袋尊像

 京滋バイパス宇治西インターから約15分、黄檗宗(おうばくしゅう)大本山萬福寺に来ました。朱塗りの門や金色の布袋(ほてい)さんなど、お寺に詳しくない人でも、何か他とは違うと思えるような中国の香りがする境内です。お話を萬福寺の加藤憲七和尚にお伺いしました。
「萬福寺は中国の禅僧である隠元(いんげん)禅師が、江戸時代初期に開いた黄檗宗の大本山です。隠元禅師は故郷福建省の萬福寺の様式を取り入れ、明朝(みんちょう)様式という中国のお寺を建てました。上に反り返ったお堂の屋根、四角い柱、左右対称に並んだお堂などが、この様式の特徴です。読まれるお経もすべて『唐韻(とういん)』という中国読みで、独特の節がついているものがあり、それに合わせてたくさんお鳴り物を鳴らします。まるで歌のように聞こえることから、『梵唄(ぼんばい)』と呼ばれています」


本堂にあたる大雄宝殿
上にはねた屋根の端が中国風

 お供えも華やかで、料理も独特です。
「萬福寺でお出ししているのは、中国風の精進料理『普茶(ふちゃ)料理』です。隠元禅師が中国から日本に伝えたと言われています。インゲン豆も料理と共に隠元禅師が持ち込んだもので、禅師の名前が付けられています。精進料理には質素なイメージがありますが、法事の後のねぎらいの席で出された料理だと言われる普茶料理は、すごく華やかで中国風のしっかりした味付けになっています。また、見た目も味もまねて作る独特な『もどき料理』があります。一番驚いたのはウナギの蒲焼きもどきで、浜松出身の私でも『本当にウナギじゃないか』と思うほど、食感も味もウナギそっくりです」


本尊の釈迦牟二佛

  ところで、萬福寺で見る月はどうなのでしょう。
「10月1日に『月見の夕べ』というお茶会を開きますが、萬福寺の境内は照明などもあまりなく、明朝伽藍の間にぽっかりと非常に映える形で月が出て、風情のある眺めが楽しめます」


 
  黄檗宗大本山萬福寺

 ■拝観時間/9:00〜17:00
   *受付は16:30まで
 ■拝観料/大人500円、
     高校・大学生450円、中学生400円、
     小学生350円
 ■普茶料理/弁当3150円、コース料理5250円〜
        *1週間前までに要予約
 ■TEL/0774-32-3900