いよいよ盆休み。今回、私は、皆さんが離れている都心の道をあえて行くことにします。
8月は「道路ふれあい月間」、そして8月10日は「道の日」です。
道路を正しく使ってもらい、大切にする気持ちを育ててもらおうというのがその趣旨なんですが、
これにちなんで、今、都心部で問題になっている放置自転車について考えてみます。


美しい御堂筋のはずなのに・・・


御堂筋・UFJ銀行心斎橋支店前


丸谷潔さん


成松孝さん

 

     <御堂筋の地図はこちら>


オリンピック落選は放置自転車のせい!?

大阪のメインストリート御堂筋と長堀通との交差点である新橋から南へ。
大丸南側のUFJ銀行前に来ました。新橋ではゆったりと歩けたのに、
この辺りは人と肩が触れるくらいで、狭めて歩かないといけません。
理由は、ずらりと並んだ放置自転車の数々。なぜこんなにあるんでしょうか。
御堂筋の自転車問題に詳しい、「御堂筋の自転車を考える会」会長の成松孝さんと、
「NPO長堀21世紀計画の会」美化緑化部会長の丸谷潔さんにお伺いします。
丸谷さん、これはどういう方の自転車なんでしょう。
 「ほとんどが買い物や仕事で来ている方のものだと思います。
 三重に置かれ、歩行も困難な状態です。今日置かれたものも、
 長期間放置されているのもあります」
どんな問題が起きていますか。
 「まず、非常に歩きにくい。それと、車椅子の通行が困難で、
 点字ブロックの上に自転車が置かれているため、
 目の不自由な方が通行出来ません」
この界隈でどのぐらい置かれているんでしょうか。
 「600台は超えていると思います。
 5〜6年前から非常に増えてきたんですが、
 自転車が安くなって使い捨て感覚になったことや、
 不景気で地下鉄や車を利用しなくなったことが、
 その理由にあると思います」

成松さん、「御堂筋の自転車を考える会」は、どんな会ですか。
 「不法駐輪問題への街としての対応をすべく、
 地元住民、行政、自転車業界の三者で、
 根本的あるいは短期的になにをすべきかを討議している会です。
 去年11月の結成以来、数度にわたる会議をし、
 今年はシンポジウムを開きました。
 予想を越える市民の方にご来場いただき、
 最後まで熱心に聞いていただき、関心の高さを感じました」
利用する側にも大きな問題なんですね。
去年11月の結成以前からも、取り組みがあったようですね。
 「御堂筋の路側帯を、ある期間中の日曜日などに開放して、
 オープンテラスにするイベントを3年間やっています。
 イベントの前々日から啓発ビラを配布し、
 前日と当日には不法駐輪の自転車を撤去しました。
 驚いたのは、150mぐらい先に仮設駐輪場を用意したのですが、
 そこに自転車を置いた方が1日わずか3人だったことです。
 それ以外は、近辺の脇道に放置したようです」
放置自転車の状況はかなりひどいんですね。
 「オリンピック招致活動時に来阪したIOCのメンバーが、
 そごうでの招致大会に顔を出して、ソニータワー前から
 クリスタ長堀へ入るというコースを予定していたので、
 ソニータワー前に非常に多かった不法駐輪自転車を、
 朝から5回ほど撤去しました。でも、15分もすると元のもくあみ。
 そこに視察団が来たんです。
 落選の原因の一つになったのではと思うほどでした(笑)。
 ほかに、御堂筋や長堀通の不法駐輪の撤去回数を、年3〜4回だったのを、
 行政と交渉して月3〜4回にしていただきました。
 でも、撤去したときはなくなるんですが、夕方には元の状態に戻るのが現状です」

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