
<空堀通の地図はこちら>
長屋再生「空堀」
大阪市中央区、空堀商店街。
谷町筋をはさんで東西に延びる商店街を西に歩くと、
南北の細い道「御祓筋」と交差します。ここが今、
注目のストリートのようです。この道を北に行くと、
ノスタルジックな看板があり、路地には昔ながらの町家が並んで、
カレー屋さんやセイロン紅茶茶房などのおしゃれな
店舗として使われています。
御祓筋から西へ、松屋町筋方向の道にも長屋が並び、
商店やオフィスになっています。突き当たりの三叉路には、
古い建物を改造した複合店舗「練(れん)」があります。
眼鏡、かばん、占い、雑貨、総菜、着物学院など、
さまざまな店舗が入っています。ここをプロデュースした
「からほり倶楽部」代表で、六波羅真(しん)建築研究室代表の
六波羅雅一さんに伺いました。

「2月1日にオープンしました。古いお屋敷を「からほり倶楽部」が
借り受けて、このような形にもっていきました。
大正末期に須磨あたりから移築された建物で、もしかしたら、
公家の住居だったものかも知れません」
この「からほり倶楽部」についても伺いました。
「純粋な市民団体です。空堀商店街かいわいには、
戦災を逃れた長屋が多く残り、石畳の路地や格子、
小さなほこらがある。上町台地からの坂道と屋根の勾配が入り乱れて、
面白い景観です。建築基準法上の問題や老朽化で減っている長屋を、
単なる保存じゃなく、店舗や住宅に改装して、まうく再生する
ことを考えているグループです。この街のことを外の方に知ってもらい、
地元の方には美しさに気づいてもらう。
御祓筋の活性化も試みるつもりです」
●「練」の内部の様子はこちら(食べる稲野一美!)
人情復活「法善寺横丁」
最後は、大阪ミナミの法善寺横丁にやってきました。
去年9月、旧中座の火災で大きな被害を受けましたが、
復興の前に立ちはだかったのが建築基準法でした。
1950年に制定された建築基準法では、建物を建てる場合、
道幅が4m以上必要です。法善寺横丁は、元々2.6 m。
新しく建てるには4m以上が必要なので、もう風情ある狭い
横丁がよみがえらないと、一時は大阪の人たちが失望しました。
でも、建築基準法上の特例措置である「連担建築物設計制度」を利用。
横丁全体を一つの敷地とみなし、法的に「道路」だった横丁を
「通路」と解釈して、横丁の復活が可能になりました。
法善寺横丁復興委員会のメンバーで、洋酒の店「路」マスターの
井畑貴彦さんに伺いました。

横丁は、元々誰のものだったんでしょうか。
「お寺(法善寺)さんの土地。私道だから、
一つの建物として認められたんです」
横丁には、営業しているお店もありました。
「北側は全部焼けましたが、南側はみんな営業しています。
北側は6月初めにオープンし、元通りの、それ以上の
法善寺横丁として利用していただくよう頑張ります」
被災前と同じ、風情のある法善寺横丁がよみがえって、
またここから大阪の人情が全国に発信されます。
|