
<南部川村の地図はこちら>
ほんまの備長炭
梅と並ぶ南部の特産品は、紀州備長炭です。
うめ振興館から山の方へ30分ほどの「紀州備長炭振興館」に来ました。
南部川村森林組合の松本貢さんに伺います。

「開館は平成3年。みかんや梅同様、備長炭も紀州の特産です。
なかでも南部川村は和歌山県で備長炭の生産量が一番多い産地。
備長炭を知っていただこうと、日本一の産地南部川に建てました」
備長炭はどんな炭なんですか。
「300年ほど前、田辺市の備中屋長左衛門という炭問屋が、
江戸に紀州の炭を広めたといわれています。
現在の備長炭は、当時、熊野炭や田辺炭など産地ごとの名前で
呼ばれていました。鰻の蒲焼きが江戸で人気を博していたころで、
この炭を使うとおいしく焼けるので、何という炭だと聞かれた
備中屋長左衛門が、自分の名前からとって『備長炭』としました。
以後、紀州の炭は備長炭と言い継がれています」
材質はなんですか。
「最近は何でも備長炭として売られていますが、
本物の紀州備長炭は、ウバメガシとアラカシの原木を用いた炭です。
非常に硬く、叩くと澄んだ金属音がします。そして、重い。
普通の炭は水に浮きますが、いい備長炭は沈みます。
また、断面は金属のように光り輝きます。“備長炭の顔”ですね。
それと、水洗いすれば粉が付かない。それだけ硬いんです。
安い炭は、何度洗っても手が汚れます。硬く、汚れないのが、
ほんまの備長炭です」
皆さんにも、本物の炭に触れていただきたいものです。
「炭は日本人のかけがえのないパートナーです。
ガス、石油、電気が使われ、炭から遠ざかっていましたが、
最近、また注目され始めています」
「紀州備長炭振興館」
■開館時間/8:30〜17:00(土曜は12:00まで)
■休館日/無休 *6月の日曜のみ休館
■入館料/無料
■TEL /0739-76-2258
羽を休めに、いらっしゃい
備長炭振興館から海側へ戻ったところに、
村営「鶴の湯温泉」があります。
支配人の坂井貢さんに伺いました。

「ここは炭酸水素ナトリウムの濃度が高く、
関節やひざが悪い方に好評で、昔から湯治場として
親しんでいただいています」
なぜ「鶴の湯」なんでしょうか。
「川にわいた温泉で、鶴が傷ついた羽を癒したという伝説が
あるんです。それをもじって『羽を休めに、いらっしゃい』というのを、
キャッチフレーズにしています」
本格的に羽を休めたい方は宿泊も出来るようです。
ただ、今は道の便がいいとは言えません。
地元の皆さんは、高速道路を待ち望んでいることでしょう。
「高速道路によって、利用客が多くなればいいなあと感じています」
「鶴の湯温泉」
■入浴時間/11:00〜19:00
■定休日/毎週火曜日 *2月と祝日は無休
■入浴料/大人500 円、小学生・70歳以上300円
■宿泊料/1泊(食事付き)7300円〜
■TEL /0739-75-2616・2180
|