今週はどんな風に遊ぼうか迷った末の結論は、学問の秋、勉強するぞ!です。
私はこれでも、大学院で古代史を専攻しました。
そこで、古代史をたどる道をドライブします。


近つ飛鳥博物館へ向かう道は色づきはじめ


安藤忠雄氏が自身の代表作として挙げる近つ飛鳥博物館


現在は木で埋まる仁徳陵も出来た当初はこうだった


三ツ塚古墳出土の「修羅」は最大の見もの

 

 

     <近つ飛鳥博物館の地図はこちら>


古代薫る「近つ飛鳥博物館」


西名阪自動車道の藤井寺インターから、国道170 号を南へ。
こんもりした森、古墳が見えます。左に応仁天皇陵もあります。
富田林市で東へ折れ、大阪府太子町と河南町の境にある
「大阪府立近つ飛鳥博物館」を目指します。

コンクリート打ちっぱなしの壁、階段状の屋根…
ユニークな建物です。「近つ飛鳥博物館」到着です。
専門員の大西宏道さんに伺いました。
       
 「この建物は安藤忠雄さんの設計で、
 『平成の古墳』をイメージしています。
 愛称は『アスカディア・古墳の森』です。
 周囲は200 以上の小さな古墳が集まる
 『一須賀(いちすか)古墳群』で、
 その一部を 『近つ飛鳥風土記の丘』として
 整備し、公開しています」
この河内飛鳥の地を「近つ飛鳥」と呼ぶのは、なぜでしょう。
 「古事記に書かれています。履中天皇の弟で後の
 反正天皇が、難波宮から大和の石上神宮に行った際、
 途中で2泊、宿を取りました。1泊目が山を越える
 前の大阪、2泊目が奈良。その宿泊地を、
 難波宮から近い『近つ飛鳥』と遠い『遠つ飛鳥』
 と名付けたようです」
博物館の展示について、お伺いしました。
 「3ゾーンに分かれています。
 第1ゾーンは『近つ飛鳥と国際交流』がテーマで、
 古墳を造った時代や仏教を取り入れ律令国家を造った
 時代に、中国大陸や朝鮮半島と交流した様子を 展示
 しています。一須賀古墳群から出土した、 大陸文化
 の影響をうかがえる物もあります。 聖徳太子の墓の
 中を“復原”したコーナーも見どころです」
スロープをぐるぐる下りると、第2ゾーンです。
 「『古代国家の源流』がテーマで、見どころのひと
 つは、埴輪の露出展示。触れるのは禁止ですが、
 実物を肌で感じてもらおうとこんな展示をしています。
 もうひとつは、仁徳陵古墳の“復原模型”。
 150 分の1スケールで、直径10m。出来た当時の
 仁徳陵の様子や、周囲での人々の生活の様子などが
 リアルに再現されています。
 第3ゾーンは『現代科学と文化遺産』がテーマで、
 見どころはなんと言っても『修羅』です。
 1978年に藤井寺市の三ツ塚古墳で出土した、
 全長8.8 m、重さ3.2 トンの巨大な木製のソリです。
 1500年前の物が、これほどしっかりした形で見つか
 るのは、世界でもあまり例がありません。所々にある
 穴にひもを通して引き、石棺などを乗せて古墳へ
 運んだと考えられています」
企画展『西域への道−シルクロードと大谷探検隊−』 が
開催中のようです。
 「今年は、シルクロードを初めて調査をした西本願寺
 門主・大谷光瑞さん率いる大谷探検隊が、最初に出発
 した年から100 年目です。大谷探検隊が日本に持ち
 帰った品々を展示しています。一度に100 点以上
 展示されるのは、おそらく初めてだと思います」

「大阪府立近つ飛鳥博物館」
■入館料(常設展)/大人300 円、65才以上・高校・大学生200 円
■開館時間/10:00〜17:00 *入館は16:30まで
■休館日/毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、12/28 〜1/4
■TEL /0721-93-8321
 *『西域への道−シルクロードと大谷探検隊−』は12月1日まで開催

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