なぎさ公園は防災面でも重要な役割を担う



街の中央を貫く「東西線」は広い歩道が特徴


兵庫県立美術館には様々なアートがある


兵庫県立美術館もなぎさ公園と同じ安藤忠雄氏設計

  
     <HAT神戸の地図はこちら>


新しい街、新しい防災

HAT神戸の「なぎさ公園」で、神戸市都市計画局アーバンデザイン室の
上山裕之さんに伺いました。
       
 「HATはハッピー・アクティブ・タウン。幸せで活気溢れる街に
  という願いがあります。全体で約120 ヘクタールですが、
  そのうち阪神高速から南側は完全に新しい街です。
  75ヘクタール、甲子園球場20個分の広さです」
道路も素晴らしいのができています。
 「東西線という道路で、2キロ以上あります。幅40mのうち、
  歩道が9mずつの18m。半分近くを占めています。
  震災では家屋が倒壊し、避難や救助が非常に困難でした。
  幅が40mあると、誰もが避難しやすい。電線は、地震に影響
  されないように全て地中化しています。また、この公園の
  地下には地震に耐える貯水槽があって、水が飲料用や消火用に使えます」


多様なアートを発信

なぎさ公園を散歩しながら、コンクリート打ちっぱなしの壁と
ガラスが組み合わさった「兵庫県立美術館『芸術の館』」に来ました。
お話は兵庫県立美術館「芸術の館」の越智裕二郎さんです。
       
 「今年の4月、兵庫県立近代美術館がこちらに移って、
  兵庫県立美術館になりました。安藤忠雄さんが渾身の力を
  込めて造ってくださった、日本で2番目に大きな美術館です。
  建物の下には免振装置があって、この間のような地震が来ても、
  コップ1杯の水もこぼれません」
中の展示はどうなっているのでしょう。
 「1階と2階が常設展示室で、小磯良平コレクションなども、
  いつでもご覧いただけます。3階は企画展示室で、開館記念展として、
  ゴッホ、ヴィクトリア&アルバート美術館所蔵品、
  クリムトなどの展覧会を準備しています」
ゴッホ展がお薦めのようです。
 「ゴッホは、今一番人々に訴える作家ですが、作品を動かすのが
  難しくなっていますが、スタッフが力を込めて作品を集めてきました」

兵庫県立美術館「芸術の館」

■開館時間/10:00〜18:00(入館は17:30まで)
 *特別展開催中の金・土は10:00〜20:00(入館は19:30まで)
■休館日/月曜日(祝日の場合は翌日)、12月28日〜1月4日
■入館料(常設展)
/大人500円、高校大学生400円、小中学生250円
■TEL /078-262-0901
「ゴッホ展」は11月4日(月)まで
一般1400円、高校大学生1100円、小中学生700 円


防災に大切な道づくり

HAT神戸を離れて神戸市役所へ。神戸市都市計画局計画課の林泰三さんに、
神戸市の街づくりについて伺いました。
        
 「震災直後の道路は、とくに橋梁の被害が甚大で、阪神高速などの大動脈が
  通行不能になり、一般道路でも亀裂や段差が生じ、建物の倒壊で通行出来な
  くなる事態も発生しました。道路は多くの機能を持つ基盤施設で、防災上も、
  避難や救助のための通路であり、延焼の防止など災害の拡大を抑える空間
  としての機能もあります」
防災面から道づくりに求められるものは何でしょう。
 「橋梁などの構造物の耐震性を高めて
被害をできるだけ抑えること。
  また、市街地に適切な間隔で広めの道路を格子状に配置し、
  災害時の複数ルートの確保や災害の拡大を防ぐことが必要です」


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「防災の日」。防災の視点からの街づくりや道の大切さを痛感しました。
道は、人や物を運ぶだけじゃなく、生命を守る重要な役割を担っていることがよく分かりました。