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川のシーズン到来、福井県の真名川ダムへGO!
7月は河川愛護月間。まさに川のシーズンを迎えた今回は、福井県大野市の真名(まな)川ダムまで足を延ばしました。市街地から直線距離で10km近く上流にあるこのダムは、周りの山々に囲まれながら、ダム湖であるエメラルドグリーンの麻那姫(まなひめ)湖を静かにたたえています。美しいこの眺めには、どうやら伝説もあるようです。


  姫が守った村、ダムが守った川。     <真名川ダムの地図はこちら>
 


真名川ダムと麻那姫湖

 真名川ダムの見学コースでもあるダム壁面の「キャットウォーク通路」は、高さが水面から50m以上あります。しかも、足元のすき間から下が見えるため、怖い思いをしながら、国土交通省真名川ダム管理支所のかせ本孝市(かせもとこういち)支所長にお話を伺うことになりました。
「真名川ダムは、昭和40年の奥越豪雨を契機に造られ、昭和54年に完成しました。建設の大きな目的は、下流を洪水から守る『洪水調節』、福井県企業局による『発電』、そして、農業用水などの補給と河川の正常な機能を維持するための『不特定用水』の三つです」

 
 


ダム湖と反対側の様子

 一昨年の福井豪雨では、威力を発揮したようです。
「真名川ダムでは過去に経験したことのないような洪水でした。急激にダムの水位が上昇し、操作が追いつかないほどだったと聞いています。真名川上流の雲川流域は、隣接する足羽川流域と同じように雨が降りましたが、足羽川は堤防が切れて約1万戸が浸水被害を受けたのに対し、真名川ダムでは洪水のほとんどを貯留したため、大野市内の真名川沿川では1戸の浸水被害も出ませんでした」



麻那姫像
  ところで、100mほど上流には、金色のお姫様の像が建っています。
「麻那姫湖の名の由来にもなっている伝説があります。1200年あまり前、十文字という情け深い長者がいたんですが、子供がいなかったので神様に祈ると美しい娘『麻那姫』が生まれました。ある年、大干ばつになり、十文字は米や食料を農民に分け与え、毎日、雨が降るように川で祈っていると、ある夜、枕元に女神が現れ、干ばつは竜神の怒りであり、雨を降らせたいなら娘を竜神にささげるようにと言いました。麻那姫が自ら決心して川に身を投げると、雨が降って作物は息を吹き返しました。農民たちは麻那姫が身を投げた近くに松を植え、霊を弔って祭りをしました。やがて、この川を真名川と呼ぶようになった。これが伝説です」

  昔から川との闘い、自然との闘いがあったことが分かります。
 
 
  ダム建設が生んだ、自慢の公園。
 


麻那姫湖青少年旅行村

 真名川ダムから上流へ車で15分、奥越自然公園麻那姫湖青少年旅行村に到着しました。ゴルフ場みたいに芝生が広がる公園です。若泉直大(なおひろ)さんにお話を伺いました。
「ここには、広さ3万5000uの芝生広場、バンガローサイト、バーベキューサイト、テントサイトがあります。広くて、周りに何もないことが魅力です。本当に山の中にあるという感じで、そういうのを求めて、大勢の方がいらっしゃいます。利用料金は、4人ぐらい泊まれるバンガロー1棟が1泊1500円、バーベキューが1炉1000円、テントサイトが5000円です」



移転前の村の面影を留める橋
 いつ出来たのでしょうか。
「30年近く前、真名川ダム建設による水没で150戸ぐらいあった村が移転しましたが、その内、水没しない地域にこの公園を整備しました。村だった当時とは全く様子が変わっていますが、一箇所だけ趣のある橋が残っていて、それが村であったことを分からせてくれ、不思議な感じがします」

 ここの自慢を伺いました。
「まず、類似施設に比べて料金が安いと思います。それと、草刈りやトイレ清掃等を徹底するなど、管理が行き届いている点。また、魚釣りや山菜取りもでき、意外に野鳥が多いのも自慢です」



  麻那姫湖青少年旅行村

■入村料/普通車500 円、中型車1000円、
        大型車1500円
■営業期間/4月〜11月
■TEL /0779−64−1240