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紀の川沿いにある、ミュージアムと酒蔵へ。
日本最多雨地域の大台ケ原を水源とする紀の川は、和歌山県北部に大きな恵みをもたらしている反面、紀伊半島をたびたび襲う台風によって水害を起こしてきた川。そんな紀の川を象徴する「紀の川大堰(おおぜき)」が、河口から約6kmの和歌山市にあります。対岸の家が小さくにしか見えないほど川幅は広大。今回は、この近くにある「水ときらめき紀の川館」からスタートします。


  紀の川大堰のすべてが分かる館。     <紀の川大堰の地図はこちら>
 


紀の川
中央が紀の川大堰

 紀の川南側の川沿いにある「水ときらめき紀の川館」の1階は展示室。多くのパネルが並んでいて、水と紀の川についていろんな勉強ができます。館長の森岡淳二さんにお話を伺いました。
「紀の川大堰は約10年の歳月を費やし、平成15年の3月に完成しましたが、同じ年の7月にここがオープンしました。私たちは、紀の川から計り知れないほどの恵み受けている反面、過去に洪水や渇水を繰り返してきました。それらを総合的に考えて改修をしてきた経緯などを、詳細に展示しているのがこの施設です」
 


紀の川大堰は開閉ゲートで
流量調節ができる

 紀の川大堰は、どんな目的で造られたのでしょうか。
「治水、利水、環境の三つの目的があります。治水面では、上流約500 mにある『新六ケ井堰』を(開閉しない固定堰のため)撤去する必要かあること。利水面では、渇水を解消するため、今より多くの水をためなければいけないこと。環境面では、大堰が出来ても、従来の環境を悪化させないこと。そうした目的で造られました。新六ケ井堰を撤去して水位を下げるのが、平成21年ごろ。そのためにJR阪和線の橋を水位が下がっても大丈夫なものに架け替えています」






左がデニール付バーチカルスロット式魚道
右が階段式魚道

 紀の川大堰には、魚が上流に上っていける魚道が付けられています。
「右岸と左岸に3本ずつあって、例えば左岸側の魚道では、ポピュラーな『階段式魚道』、ウナギやカニ、ヨシノボリのような遅い流速を好む魚に適した『人工河川式魚道』、サツキマスやサケなどの速い流れを好む魚が上がる『デニール付バーチカルスロット式魚道』があります。今年は3月24日に初めてアユの遡上(そじょう)が観察されました」
 


階段式魚道は
観察室から見学できる

 森岡さんご自身、この紀の川には思い出が多いようです。
「生まれ育ったのがここから20kmほど上流で、本当によく荒れる川だったということを覚えています。また、小学校3〜4年生のころ、吉野の方から材木を運ぶのは全部いかだやったんですが、どんどん下ってくるいかだに乗せてもらって、いかだ師のおじさんに遊んでもらったことも、よく覚えています。川には砂利採取船がたくさんいたことも印象に残っていますし、農家の方が堤防を自ら造っていた時代でもありました。紀の川には、安心、安全の川であってもらいたいし、水が美しくなってほしいと思います」




 



   水ときらめき紀の川館
 ■開館時間/9:00〜16:30
    (入館は16:00 まで)
 ■休館日/水曜日
    (祝日の場合は翌日休)
 ■入館料/無料
 ■TEL /073−424−9292