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ドラゴンリバー交流会と九頭竜川資料館を訪ねて。
福井県嶺北、曹洞宗大本山永平寺のある永平寺町に流れる九頭竜川。8月に行われる大灯ろう流しの場所から1kmほど下流の「鳴鹿(なるか)大堰」には、美しく石が敷きつめられた魚道が造られていて、サギが2羽、餌を狙っている姿が絵になっています。今回はこの九頭竜川を舞台に活動しているNPOの活動や、九頭竜川のことが分かる施設を取材します。


   川は1頭の竜、流域は運命共同体。            <九頭竜川の地図はこちら>
 

九頭竜川

 鳴鹿大堰のすぐ近くにある「わくわくRiver CAN 九頭竜川資料館」に来ました。ここは国土交通省福井河川国道事務所の施設ですが、運営は委託を受けて「NPO法人ドラゴンリバー交流会」が行っています。専務理事の白崎謙一さんに、会についてお伺いました。
「ドラゴンリバー交流会は平成7年8月に設立され、平成14年にNPO法人になりました。平成5年、当時の建設省の諮問機関『水の環境・文化懇談会』が、川を1頭の竜に見立てて、流域が川で結ばれた運命共同体であるとの認識を深めるための『ドラゴンプロジェクト』を提唱し、そのケーススタディとして九頭竜川が選ばれました」


昨年11月に開催された「環境植樹祭」
写真提供:NPO法人ドラゴンリバー交流会
 どうして全国の川のなかから九頭竜川が選ばれたのでしょう。
「全国の一級河川で『竜』が付く川は天竜川と九頭竜川だけであり、大都市の河川に比べて自然が残り、流域が複数県にまたがっておらずに比較的事業が進めやすいことから、九頭竜川が選ばれました。そのドラゴンプロジェクトで、望ましい水系環境を目指した交流や実践活動をする団体として『ドラゴンリバー交流会』が出来ました」

 どんな活動をしているのでしょう。
「九頭竜川水系の環境に関する普及啓発活動、環境に関する調査研究活動、環境の保全と創造に関する交流活動、環境に関する広報活動の四つです。普及啓発活動は、講演会、シンポジウム、河川フォーラム、川に親しむ会の開催、九頭竜川資料館の運営業務受託をしています。調査研究活動は、主に水質調査や水生生物調査を、総合学習の一環として学校から依頼されて行ったり、川に親しむ会と組み合わせて行ったりしています。交流活動では、九頭竜川本川及び支流ごとの流域単位で、環境植樹祭を毎年実施しています。また、各河川の清掃活動を行っており、とくに堤防が桜並木の名所である足羽川は、ドラゴンリバー交流会の発足当時から毎年、花見前の3月下旬に行っております。昨年は福井豪雨に見舞われたため9月にも実施したところ、約1300人が参加してくれました。広報活動は、会報の発行とホームページでの情報発信を主に行っており、国道交通省の九頭竜川水系情報誌『かわらばん』の編集も受託しております」

「チャレンジ教室」
写真提供:NPO法人ドラゴンリバー交流会

 白崎さんにとって、九頭竜川はどんな存在なのでしょうか。
「私は九頭竜川と支流の日野川の合流地点で育ち、暇があったら九頭竜川へ遊びに行っていました。大変な増水時にも行きたくて、泥水の中を400mほど流されたこともありました。当時の子供たちは一丸となって川で遊び、上級生が下級生の面倒をちゃんと見るという習慣が受け継がれていたため、親も川に来ませんでした。今はそれがないのでかわいそうだと思います。昔のような川に戻していくことが、我々の責務だと感じます」


   NPO法人ドラゴンリバー交流会
 
 ■所在地/福井市中央3-3-28
 ■TEL /0776-23-7004