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   河内木綿の藍染文様を復元、伝承。
 

河内木綿の藍染

 大和川流域の町、今度は大阪府八尾市に来ました。末広町にある藍(あい)染工房にお邪魔しています。こちらでは、大和川の付け替えが生んだ河内木綿の藍染をしています。NPO法人河内木綿藍染保存会理事長の村西徳子さんに伺いました。
「大和川は大和の国から法隆寺、王寺を経て、近鉄国分駅あたりから大阪へ来ていますが、以前は柏原市で曲がり込み、八尾市、東大阪へ入っていました。河内木綿はこの3市で発祥しています。旧大和川が度々はんらんしたため、庄屋の中甚兵衛さんが川を真っすぐにするよう幕府に申し出ておりましたら、願いがかなって宝永元年に川の付け替えが行われました。干上がった広大な旧大和川跡は、砂地で米が出来ず、綿の栽培に適していたために河内木綿が生まれました」

左から
復元元の藍染文様、複写文様、再現した型

 河内木綿の文様の復元が団体の活動とのこと。
「それと普及、さらには伝統工芸の伝承ですね。日本には立派な技術がたくさんありますけど、需要がないと職人さんたちの生活が成り立ちません。残された河内木綿の藍染文様は、なんとか古布から型紙を彫り、それに防染のりをし、藍の染料で染めてのりを落とせば、反物に菊唐草や牡丹唐草、鶴亀や松竹梅などの古典文様が現れてくるまでに復元しましたが、復元だけでは過去形になります。八尾市の生涯学習での河内木綿文様の藍染講座のOBが藍染保存会をつくり、それがNPO法人となって、そこで皆さんに型彫りやのりを置く技術、染めについての大体を伝承していただいています。また、海外に向けて周知の仕事もし、ロシアのエルミタージュ美術館で『ジャパンブルー』として2ヶ月にわたって紹介もしました。今年は綿や藍の種を取り寄せて頒布もしています」
 

受講生が作った作品
即売も行われている
 講座についてお伺いしました。
「今年は6回の講座なんですが、復元した私どもの型紙を使って河内木綿の古典を染める企画で既に始めています。なお、この春からは、土曜日の午後1時から4時まで、工房をオープンにすることにしました」
 ということは、予約がなくても体験できるということでしょうか。
「そうです。NPO法人の会員さんが当番でそれに対応できるようにしましたので、藍染ってどんなものかなと思う方は、土曜日の午後にふらっとお立ち寄りください。とくに、のりを置いて藍で染めるっていうのは、なかなかおやりのところがないのですが、興味を持っている方もたくさんいらっしゃいます。今までは市へ講座として申し込まないと受けられませんでしたが、今年は予約なしでも気軽に足をお運びくださいませ。藍染は1日では濃く染まらず、たいてい3日はかかります。しかし、染まりやすい布を用意し、初めての方でものりが置きやすいように色々工夫してお待ちしております」
 




   NPO法人河内木綿藍染保存会

 ■藍染体験/500 円〜
 ■開催日時/土曜日13:00 〜16:00
 ■TEL /0729-23-1246(藍工房・村西)


大和川を訪ねました。古里の川、そして、その川が生んだ河内木綿。こうしたものを愛し大切にする心が、さらなる広がりを見せていることを強く感じました。