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大和川を蘇生させ、藍染を復元する人々。
大阪市住之江区、阪堺大橋の下を流れる大和川は、河口が近いだけに磯の香りがします。水量は少ないものの、水質は思った以上に奇麗。透き通って3cmほどの魚がたくさん泳いでいます。汚れた川のイメージがある大和川ですが、2004年の調査では、BOD(生物化学的酸素要求量)の値が初めて環境基準レベルを下回りました。長年、河川浄化や下水道整備をした結果がやっと出てきた感じです。しかし、もう一つ忘れてならないのが住民と行政とが一体となった取り組みでしょう。


   大和川を飾る陶板画            <大和川の地図はこちら>
 

大和川は下流でも透き通っている

 まずは、住之江区で活動をしている皆さんの話題です。大和川再生協議会事務局長の沼田恒雄(つねお)さんにお話を伺いました。
「大和川再生協議会は、大和川を昔の形に蘇生する活動をしています。友人の元府会議員と蓼科(たてしな)へ旅行して、川がものすごく奇麗だったので、我々の古里の大和川がこんなに奇麗になったらいいなあと思って活動を始めました。最初は、所属しているライオンズクラブに呼びかけましたが、大和川清掃にはかなりの人数がいるため、川沿いの企業、住民、学校、行政に呼びかけ、大和川再生協議会を作りました。今は60名でやっております」


ヨシ刈りの様子
写真提供:大和川再生協議会

 どんなことをしているのでしょうか。
「我々市民のできることは、ごみを拾うことですね。それと、吾彦(あびこ)大橋の上流にあるセイタカヨシのヨシ原保存のため、ヨシ刈りを毎年2月にしています。ヨシは1本で年間2000リットル の水を浄化し、野鳥や魚たちを集めます。今年は、2月にヨシ刈り、5月にシジミ放流、7月と9月にクリーンアップキャンペーンを行い、9月23日には『大和川河口祭』をします。魚釣り大会と陶板画の展示を考えておりますが、陶板画は阪堺大橋から下流に向かって堤防がかさ上げされて川が見えなくなったため、堤防の壁面に地元の港南造形高等学校の生徒さんと彼らに指導されている小中学生の作品を設置することにしました。今回は約80mにわたって展示しますが、全体は800mあって完成すると日本一の陶板画ロードになると期待しております」



クリーンアップキャンペーンの様子
写真提供:大和川再生協議会
 BODが環境基準レベルの5mg/リットルを下回って4.6mg/リットルとなったことについても伺いました。
「我々が5年前に水質を調べた時は、7.8とかいう数字が出ました。一番生命力のあるコイが生きられるのが5r/リットルなので、コイしかいないような感じがしますが、上流ではアユなど色々と奇麗な魚が住むようになっています」

  クリーンアップには3000人以上が参加するとのこと。
「皆さん本当に生き生きとされています。こうして川辺に座って眺めてますと、奇麗にしたいという気持ちが心から起こってきますね。当日は大阪側で6000袋、堺側で4000袋のごみが出ますが、生活用品の小物や不法投棄のタイヤ、自転車やバイクまで混じっております。私たちは、まずお母さんに食べ残しを作らないよう呼びかけたい。食べ残しや油類、洗剤が川に来るんですね。将来は、どこでさおを差しても魚が連れるという状態を目指しております」

  お母さんに続くのは、住民全員と企業です。