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日野川で行われている、一味違う市民活動。
福井県の嶺北、越前市に来ました。昨年10月、武生市と今立町が合併して誕生した新しい都市です。ここを流れる日野川は、福井、岐阜、滋賀の県境に近い辺りが水源で、越前市や鯖江市を貫いて、福井市で足羽川を合わせてから九頭竜川へと注いでいます。流域には、日野川にこだわり、大切にし、また日野川で遊ぶのが大好きな、団体や人が多いようです。


  駅伝のようにつなげる活動。  日野川の地図はこちら
 

日野川
 JR武生駅の少し東、日野川に架かる万代橋と帆山橋の中間辺りの河川敷にいます。雪解け水のせいか、流れが非常に早くなっていて、川らしい川の表情をしています。ここで、「日野川流域交流会」事務局の上木善憲さんにお話を伺いました。まずは会の生い立ちから。
「川で魚を釣る方、河原で鳥の観察をする方、河川整備をする建設業の方、行政の方など、川に携わる方が地域にたくさんいることが分かり、それぞれが集まって日野川に向きあっていろいろな活動をして行こうと、1999年に呼びかけて活動を始めました。年に1回、意見交換会を開いて、皆さんが持ってる情報を共有しますが、日野川を奇麗にしていこうとか、河川整備はこういうのがいいんじゃないかとか、いろんな提案やテーマが出ますので、かなり白熱した話し合いになる時が多いですね」
 


福井豪雨をテーマにしたフォーラム
写真提供:日野川流域交流会

 どれぐらいの集まりなんでしょうか。
「約50の団体、総勢で約100〜200名です。いろんな専門知識を持った方がいらっしゃるので、話し合いは、専門知識を豊富になって、それぞれの活動団体の内容が知ることができるため、知識の充足や感動の共有の場となります。また、ホームページやDMなどで、参加していただいてる団体さんの活動紹介をしたりしています。それも、川だけの活動に限らず、里山の活動など山の街道もPRすることがあります」

 日野川流域交流会のサブタイトルにある「サクラマスの駅伝」とは、どういう意味なのでしょう。
「50年ぐらい前まで、サクラマスがたくさん上流まで来て、弁当のおかずにもなったそうです。もっと川が奇麗で、人工的な構造物の少ない自然の川を、魚が上流まで上がっていたと。最近では、川で取ったものが食卓に上がることがなく、下流から上流までの間にはいろんな障害がありますね。そこで、魚道を堰堤(えんてい)に整備するなどしつつ、リレー形式で上流までたどっていこう。さらに、流域も下流から上流までいろんな団体があるので、情報交換をしながら、魚が上がる川にするにはどうしたらいいか、みんなで考えながら駅伝のように伝達していこうというのが、『サクラマスの駅伝』という名前になってます」


「南条エコリバクラブ」によるカヌー体験
写真提供:日野川流域交流会
 皆さんの出会いの場、情報交換の場に出席して感じることは何でしょう。
「皆さん等身大で活動されていて、いろんな知識を持ってる方でも、その知識だけで固まるのではなくて、汗を流し、泥だらけになりながら、流域の方と一緒に活動するため、本当に心が触れ合い、知らない人とでも仲良くなっていきます。それが、私にとっても励みになります」

  平成18年度のテーマを伺いました。
「いつ来ても川で遊べる川づくりを目指し、常設の『川の駅』を造ろうと考えています。川に気軽に近づけて、危険な場所とそうじゃない場所もちゃんと分かっていただきながら、遊んだり、川を眺めたりしながら、いろんなことを感じてもらえるような常設の場所を造りたいと。それに向かって各方面の専門知識を頂いたり、皆さんの活動のなかでの意見をまとめたりして、造っていくのが最大の目標です」