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地域の人々に愛され、育まれる、湖北の生き物たち。
湖西北部の滋賀県高島市新旭町は雪化粧。手つかずの自然が残るこの辺りには、生き物たちのさまざまな営みがあります。水に浮かぶ水鳥を観察するのには、今が一番いい時期。一方、水の中については、去年の春に休耕田を利用してあることをしたところ、貴重な生き物たちが大量に観察されたそうです。この辺りでほとんど見られなくなった生き物たちが戻り、今では宝庫になっているようです。


  白鳥が、すぐそこに。    <琵琶湖の地図はこちら>
 

琵琶湖に浮かぶ水鳥 バックは息吹山
 高島市新旭水鳥観察センターは、琵琶湖が湾のようになっている湖岸にあり、水鳥たちがすぐ近くまで来ています。自然とマッチする木造の建物の中には、観察室や研修室などがあり、水鳥のはく製もたくさん並んでいます。観察指導員の山方曙一(やまがたしょういち)さんにお話を伺いました。
「この地域には、琵琶湖、ヨシ原、田んぼ、山が1kmぐらいの間に集まっていて、自然がそのまま残っています。とくに、センター前は遠浅のため餌が取りやすく、たくさんの鳥が集まり、15〜16種類は観察できます。手前の方におりますのが、胸が白くてしっぽの長いオナガガモ、頭が緑色のマガモ、茶色い頭でくちばしから頭の方に筋の入っているヒドリガモで、水に潜れないカモです。一方、向こうに黒く固まっているのは、オオバン、キンクロハジロ、ホシハジロ。水の中に潜って餌を取れる鳥で、すみ分けが行われています」
 


センターのすぐ近くまで鳥が来るのが特徴


 今、どれぐらいの数がいるのでしょうか。
「今朝、この湾内で数えたら2986羽でした。多い方です。数は1月下旬から2月中旬がピークで、冬鳥なので寒い所が好きなんですが、シベリアや樺太、北海道などは凍って餌が取れないため、南の方に来ています。皆さんが見たがるコハクチョウなんかも来るんですよ。このすぐ前に来ていたり、遠くにいたり。今朝は、ここから5kmぐらい南の『松の木内湖』に120羽ぐらいいました。夜はそこで寝て、朝になると琵琶湖に飛び散っていきます。一昨日はその柳の木のすぐ前に来て、潜水できない鳥なのでマコモの根をくちばしで上げて食べていました。そういう時に来たお客さんは感動してくれます」



水鳥への餌付け
写真提供:新旭水鳥観察センター

 
 ここは平成元年にオープンしたとのことです。
「右の方、林の中に公園施設のあずまやがありますが、あそこで元小学校長だった方が、鳥が集まるんじゃないかと餌をやっていたら、カモが寄り、白鳥も見えました。長く続けていたら当時の町長さんがそれを知り、この施設を造ってくれました。オープンして10数年、琵琶湖は広いので一概には言えないんですが、この地域はヨシ原があり、遠浅なので、鳥も魚も、育つ環境としてはいいところだと思います。冬鳥も増えてきています」


鳥に餌を与えて喜ぶ園児たち
写真提供:新旭水鳥観察センター

 
  環境学習面でのお手伝いもされているようです。
「滋賀県では、ヨシ条例によって、ヨシを守り、育て、使うという3本柱を進めていますが、それを子供たちに知ってもらおうと、ヨシを使ってヨシペンやヨシ笛を作ってもらっています。ヨシ笛は自分で吹いてもらう。また、最近はヨシ紙すきを子供から大人まで体験してもらっています。この辺りを歩いてもらい、いろんな植物の観察もしています。子供たちは喜んでくれて、小さい子なんかは餌を食べに来るユリカモメを自分の家で飼いたいって言います(笑)」

 
   高島市新旭水鳥観察センター

 ■開館時間/9:00〜16:00
 ■休館日/火曜日、年末年始、4月〜10月
 ■入館料/無料 協力金として高校生以上200 円
 ■TEL /0740-25-5803