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川への思いから始まった、町づくりと人の輪。
養田川(ようたがわ)は兵庫県加古川市を東から西へ流れ、加古川と並行して北から南へと流れる泊川(とまりがわ)に合流しています。一方、この合流点から少し上流にある「つどいの広場」前では、2本の川が一つになっています。1本は太くて直線的な川、もう1本は細くて弧を描いている川。太い方はコンクリート護岸、細い方は大きな石が並べられた護岸で、その姿も対照的です。


  養田川が2本も流れる理由。    <養田川の地図はこちら>
 

養田川
 つどいの広場から北東方向に200〜300m、太い方の川に沿うように歩くと穴田公園に到着。一方、細い方の川は、広場から東の方に行き、途中で北へカーブしていますが、その先がよく分かりません。この2本の川について、「養田まちづくり委員会」会長の小田稔さんに穴田公園で伺いました。
「二つとも養田川で、太い方を『新養田川』、細い方を『旧養田川』と呼んでいます。旧養田川は、この公園の中をせせらぎとして流れ、それから先は歩道の下の暗きょを通り、お寺さんの辺りから(地上の)自然な川となっています」
 


新養田川

 どうして新旧二つの養田川があるのでしょう。
「8年前から養田の土地区画整理が始まり、湾曲した旧養田川を埋め立てて道路等にし、新養田川を直線で造ることになりました。我々は昔からある水辺をぜひ残したいと考え、行政に何回もお願いした結果、親水性のあるせせらぎとして残していただけました。用水として使われる新養田川についても、当初は底も側面もコンクリートブロックで固める三面張りで工事が進んでいましたが、魚や生物のため、まだコンクリートを打っていなかった底を土のままで残してもらい、両側面もその時点で未完成だった下流の一部で、中の空洞に魚が住める『魚層ブロック』を採用してもらいました」


左から新養田川
右から旧養田川が合流

 自然を残したが故の悩みもあるようです。
「一つはごみの問題です。上流からも流れてくるため、養田まちづくり委員会として年に4〜5回は役員が出てごみ拾いをし、公園や川の草刈りをします。川に自然の良さがあるだけに、草刈りなどいろんな面で労力を要します。しかし、ここの公園でも休みになると、川に入ってごみを拾ったり草を刈ったりと、自主的にされている方が何人かいらっしゃいます。非常にありがたいことで、そういった人達の輪を広げ、小学生など若い世代に養田川の良さを引き継いでいきたいと考えております」


トライやる・ウィークでは
養田川に入る

 養田まちづくり委員会は、地域の子供たちも引き受けているとのこと。
「10年前から兵庫県で行われている『トライやる・ウィーク』は、月曜から金曜日までの5日間、生徒を地域に戻して活動させるもので、養田の場合は5日間とも養田まちづくり委員会が引き受け、全部メニューを決めています。田植えや稲刈りを体験したり、障害者施設で軽作業の手伝いをしたりしますが、去年は2時間かけて(兵庫県多可町)中村町(まち)へ行って交流し、公園の草引きもさせていただきましたが、『養田の子には熱心にやっていただいた。よそからのお客さんに公園の草引きまでしてもらったのは初めてや』と、感謝の言葉をいただきました」

  安心して暮らせる町づくりや美しい川づくりのため、今後も皆さんを引っ張っていって欲しいものです。