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雪化粧の引原川と、揖保川の名勝を巡る。
兵庫県宍粟(しそう)市波賀町の山すそを流れる引原川。「兵庫の屋根」と言われる氷ノ山(ひょうのせん)から流れ出て、市内一宮町で揖保川に合流するこの川は、昨日から降り続いている雪で真っ白。そこを流れる水は、非常に奇麗でゆっくりとしています。今回は、この引原川沿いに建つ可愛らしい建物、「ウォーターパーク波賀」からスタートします。


  子供たちの環境学習にも一役。    <引原川の地図はこちら>
 

引原川
 ウォーターパーク波賀にやって来ました。山も川も白一色の中に建つ、ピンクの建物です。ここは一般的にいう下水処理場と思っていいのでしょうか。宍粟市波賀市民局の宮田隆広さんにお話を伺いました。
「波賀町12ある下水施設の一つで、下水施設としては平成7年に出来、平成8年には関連施設もすべて完成しました。種類は、公共下水道、農業集落排水事業、そして、コミュニティプラントと呼ばれる処理場があり、ここは公共下水道です」
 


ウォーターパーク波賀

 水を奇麗にする仕組みを、ビーカーを使って説明していただきました。
「流入ゲートから微細目スクリーンに入る水は、各家庭から流れてきた汚水そのものです。次の『OD槽』が下水の“命”の部分で、エアを入れて微生物を活性化し、汚物を処理します。極端に言うと、汚物を微生物に変えてしまい、最後はその微生物をも処理してしまいます。その隣が沈殿槽で、底に重い物、上に軽い物が分離しますので、そのうわ水だけを取って放流しております。底の微生物については、必要な分をOD槽に返し、必要以上のものについては機械で絞って『脱水ケーキ』というものにします。沈殿槽のうわ水には何も手を加えず、塩素を入れて放流しています。流れとしては非常に簡単で、使っているのは空気だけ。薬品や電気ではなく、微生物だけで処理しますので、環境に優しい処理法かと思います」



波賀小学校2年生の「生活科」
写真提供:ウォーターパーク波賀


  こちらでは、学校の環境学習の手伝いをしているとのこと。
「自主的に来るこの周辺の小中学校生が対象です。例えば、波賀小学校の2年生は、生活科といって昔の社会と理科を合わせた教科において、地域を探検しようというテーマを自分たちで作ってここに来てくれました。ここでは空気だけで処理していますよ、ウンチはこんな奇麗になって、最後はこうしますよ、という具合に説明させてもらっています。ただ、子供たちは、OD槽にはあまり感じるところがなく、流入水の臭さと放流水でコイを飼っていることにインパクトを感じるようです」


最終沈殿池で飼われているコイ

 波賀町の下水処理施設は平成8年12月ですべて整備が終わり、10年近くがたとうとしています。引原川は奇麗になった感じがするのでしょうか。
「とくに年配の方から、奇麗になったと聞きます。バブル期は、何でも使いっぱなし、ごみを捨てっぱなしという状態でしたが、下水施設が整備された平成8年以降は、毎年、奇麗になったという声を聞きます。最近はもう聞きませんけど、汚くなったとも聞かないんで、維持されているのかなと思っています。川の草も富栄養化で増えておったのが、2〜3年前ぐらいからちょっと減少傾向にあるように感じます。それは河川の整備もあるのでしょうけど、やっぱり下水整備も一因やないかなと思っとります」