室生川と宇陀川に見る、淀川上流物語。 奈良県宇陀郡室生村には女人高野・室生寺がある。昨年7月、京都の貴船神社を訪れた時、奥宮本殿の下に水の神である龍神の住まい「龍穴」があり、見てはならないものだという話を伺った。今回はまず、ここ室生で「龍穴」を訪ねる。やはり水の神との関わりがあるようだ。 |
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室生村室生の室生龍穴神社に来た。神社の前の室生川の水は、宇陀川、名張川、木津川を流れ、最後は淀川から大阪湾に注ぐ。室生龍穴神社は、大きな杉の木に囲まれる、こけむした厳粛なたたずまいだ。宮司の中捨征邦(なかすてまさくに)さんに伺った。この神社、いつできたのだろう。 |
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本殿の前を流れる川は室生川だろうか。 |
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中捨さんは元サラリーマンとのこと。 |
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室生川は、県道28号と南北の位置を入れ代わりつつ並行しているが、龍穴神社から1kmほど西に室生寺へ行く太鼓橋がかかっている。その太鼓橋のすぐ下流にある橋のそばに、「弘法の井戸1」と名付けられた井戸がある。室生村には、水不足の地域で弘法大師が錫杖(しゃくじょう)を突くと水がわき出たという、「弘法の七つ井戸」の伝説が残っている。室生村では伝説を後世に伝えるため、一昨年、元の場所ではないが室生地区に井戸を二つ復活させた。この「弘法の井戸1」と「室生公園あさぎりの里」にある「弘法の井戸2」だ。ミラノ在住の彫刻家・長沢英俊さんの作品で、石が積み上げられて真ん中が空洞になっている。現代的なアートと水との組み合わせで、伝説がよみがえったのだ。 |
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