北生駒の山々に降った雨は「寝屋川」となり寝屋川市を縦断、JR学研都市線沿いに大阪市に入り、
天満橋で大川に合流する。全長21H余り。「野崎まいりは屋形船でまいろう」の曲のままに、
昭和初期まで屋形船が行き交っていた。さまざまな表情を持つ都市河川・寝屋川。
7月に東京で行われた“いい川”づくりの全国大会「川の日ワークショップ」で、
見事グランプリを獲得した「寝屋川再生ワークショップ」の上田豪さんに案内していただいた。

 


     <寝屋川の地図はこちら>


30人の募集に61人が応募。

寝屋神社に上がってきた。八幡宮だが、
水の神である龍神も祀られている。
静かなところだ。木が生い茂り、ひんやりしている。
多様な植物が繁茂していることで知られる。
 「すぐ下が寝屋川の起点です。この辺りは、昔の河内平野の植生が、
 開発から取り残された形で残っているんですね」
寝屋川の上流、中流、下流の範囲はどこだろう。
 「ここに淀川から浄化用水を引き込む施設ありますが、
 その辺りまでは、砂州があり、植物が繁茂して、
 ヨシノボリなどの魚や鳥も多く、上流域といえます。
 浄化用水から寝屋川市駅を経て萱島ぐらいまで、
 ブロック護岸の下に廊下状の「犬走り」がある辺りが中流域。
 水が浅くて藻と魚が多い。
 そして、萱島から大東に入る辺りが寝屋川市域の下流ですね。
 寝屋川は、コンクリート護岸ですが、川幅を広げ、
 護岸で崩れないようにしただけで、川底は自然のままです」
ところで、東京での審査会の様子はどうだったのだろう。
 「全国から73団体、韓国から4団体が参加しました。私たちは、
 小学生も一緒に行って、発表時に首まである胴長を履いたり、
 川下りの格好をしたり。また、山のことも考えなければと
 ヘルメットをかぶりノコギリを持って
 間伐スタイルをしたりして、訴えました」
「寝屋川再生ワークショップ」はどんなグループだろう。
 「寝屋川市市制50周年の去年、市は寝屋川をシンボルにと考え、
 川をどうすべきか市民から意見を聞くために募集をかけたところ、
 30人募集に対して61人が集まって関心の高さが分かりました。
 そこで、全員を委員に委嘱してワークショップが始まりました」
緒に着いたばかりで、もうグランプリ。
 「活動は、寝屋川を自然豊かな市民に親しまれる魅力的な 川に
 していく 取り組みです。寝屋川はコンクリート護岸で下りられない。
 でも下は豊かな自然が回復しつつある。
 そこで、自然豊かな上流域に、子供たちがはしごで下りて
 魚や虫取りができるようにしたり、寝屋川市駅前も、
 都市だからこそ下りられるようにと整備計画を提案したりしました。
 また、提案だけでなく自分たちで川をきれいにと、
 ワークショップの今後のあり方を検討した結果、
 『寝屋川水辺クラブ』という市民参画の活動隊が誕生しました」

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寝屋川上流


上田豪さん(左)


八幡宮だが水の神の「龍神」も祀る寝屋神社


ラジオ大阪