<猪名川の地図はこちら>
弥生のくらしを復元。
神津大橋を少し下ると、猪名川と藻川に分かれる。
東側の猪名川沿いに約1H下った場所に、「田能資料館」がある。
この場所には、2200年から2300年ほど前、
農耕文化が発達し大きな集落があった。
昭和40年、ここで弥生式土器が発見されたが
、見つかった土器や当時の暮らしの様子などが展示されている。
庭の一角にはユニークな家がある。
茅葺き住居の屋根だけを地面に置いた感じの「円形平地式住居」だ。
直径約8メートルだが、中は結構広くて、一番高い部分で4〜5mある。
天井に空いた部分は、明かり取りや換気の役割を果たしていたのだろう。
石で組まれた煮炊きの跡もある。弥生時代の人たちは、
こういうところに住んでいたわけだ。
「尼崎市立田能資料館」
■開館時間/9:00〜17:15(入館は16:30まで)
■休館日/月曜日(祝日と重なる場合は月火連休)、祝日、年末年始
■入館料/無料
■TEL /06-6492-1777
メルヘンチックな、 お気に入りの場所。
河川愛護モニター・三好サナヱさん
猪名川と藻川は中州を造って別々に流れ、
再び猪名川として一つになり、その後、神崎川へと合流する。
藻川は静かな川面を持つ。尼崎市の宮園橋の近くで、
もう一人の河川愛護モニターの
三好サナヱさんにお伺いした。足元は運動靴だ。
「モニターはいつも運動靴です。夕方がほとんどですが、
犬の散歩で来て川の様子を見ました。見ると、
プラスチックや発泡スチロールが流れてくるんです。
それが引っ掛かって見苦しい状態になっているのが悲しいですね」
河川愛護モニターに応募した動機は何だろう。
「川が汚いな、なんかお手伝いでいないかなと持っていたとき、
募集を市報で見ました。これなら役に立つんじゃないかって
応募しました。この辺りには、昭和49年から住んでいて、
『ラーメンれんげ』を主人と経営していて、
家と店を行ったり来たりしています」
この“看板奥さん”は、当時から川が気になっていたようだ。
「来た頃はすごく汚かったんですよ。ガスが出て臭いました。
でも段々きれいになってきました。今は魚もいますし、
川の色も違います。魚は多いですよ。中州の向こう側は
まだ水がたくさん流れていますから。釣り人は、
きれいにしてくれる人、汚して帰る人、いろいろですけどね」
この場所はお気に入りだとか。
「雑木林の向こうに小島があるように見えるんです。
『ペリーヌ物語』ってご存知ですか。少女ペリーヌが、
フランスの片田舎におじいさんを訪ねるんですが、
おじいさんは工場主で大金持ちなのに、
自分は貧しくて名乗れないので、
小島に小屋を建てて犬と暮らすんです。
そんなメルヘンチックな雰囲気があるんですよ、ここには」
素敵な話を聞いて、景色が違って見える。
「(モニターをするまで)こんなに魚が多いと思いませんでした。
きれいにしたいなっていう気持ちが強くなってきました。
田舎が長崎の対馬。海と山がきれいなんですよ」
故郷の対馬のようになってほしいという三好さんの努力が、
周囲にいい影響を与えていけばと思う。

今回お伺いした2人が共に指摘したのは、川のごみ問題。
とくに、ビニール袋など生活のごみだ。川に行ったときくらいは、
川の思い出と一緒に持ち帰りたいものだ。
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