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源流の森を再現。

川上村の御船の滝にやってきた。中は流れているが、
両側が氷柱のように凍りつき、氷瀑になっている。
雪が積もって薄いブルーに輝き、日が差すと虹が現れる。
実に美しい。滝つぼ部分は、雪が積もっているような
小山になっている。 「森と水の源流館」の今福和男さんに伺った。
 「滝つぼ部分の小山は、氷柱が氷の粉になって、
 どんどん積もったものです。この氷瀑は、寒い日が続く
 1月20日過ぎから2月初頭にかけでのみ、見られます」

車で下流へ20分、「森と水の源流館」に来た。
円柱形で3階建て、真ん中が「源流の森シアター」になっている。
小さな鳥居のようなものがあり、「水の神」と書かれている。
筒状の「水の神グッズ」を傾けると、コポコポ鳴る。
 「源流の森の水が入っています。空き缶をリサイクルした
 『水カリンバ』という楽器です」

左手に水槽が並び、魚が生息エリアごとに分けられている。
 「床面が、吉野川・紀の川の流域マップで、
 水槽が上中下流域に分かれています。源流部の水槽には、
 “渓流の女王”アマゴがいます」

奥は、宮ノ平遺跡の展示だ。
 「川上村には昔から人が住み、約9千年前の地層から
 人の痕跡が出土していて、それを展示しています」

江戸時代の民家も移築されている。
 「このコーナーでは、月替わりで体験プログラムを組んでいます。
 今月は、ワラでほうきを編んで作ってもらっています」

いよいよ「源流の森シアター」だ。中は洞窟のようで、
森そのままに、シアターいっぱいに大木が植えられている。
 「これが、吉野川の源流の森の様子です。土台は造りましたが、
 木はみんな本物です。三之公の水源地の森、手付かずの
 天然林を再現しました。杉やヒノキの植林で生きてきた
 村ですが、先人たちは水源地エリアには手を付けずに
 残してきました。保水能力に優れた天然森を守り、
 水源を守る先人達の知恵です」


 「森と水の源流館」
 ■開館時間/9:00〜17:00(入館は16:30まで)
 ■休館日/水曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
 ■入館料/高校生以上400 円、小中学生200 円
 ■TEL /07465-2-0888



現代の土木技術の粋を結集した大滝ダム。
そして、朝拝式として大切に伝えられてきた後南朝の物語。
この歴史の舞台は、今、源流の森としてよみがえろうとしている。
川上村の人々は、これからどんな物語を書いていくのだろう。
吉野川源流物語は、始まったばかりだ。


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氷瀑


森と水の源流館


今福和男さん

 


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