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第2回日吉大社山王祭


日吉大社の地図はこちらをご覧ください。

  

第二章 
初代はお坊様。
門前町御用達、伝統の“手打ち”。

日吉大社の鳥居のすぐ近く、
「本家 鶴喜そば」の上延節子さんのお話。

 「創業300年に、もうちょっとというところです。
 八代吉宗将軍のころに、山で僧侶をしていた先祖が下りて、
 そば屋を始めたということです。私の主人で8代目。
 息子もそばを打っていますので、9代目です。
 8代目と9代目の“親子そば”ですね」

手打ちのそばにはコシがあり、ダシもおいしい。
ところで、そば打ちに大事なのは水。
坂本は山からの水が流れてきて、街中、
水の音がずっとしている。
 「使っていたのは、嫁いできてからずっと山の水でした。
 おいしいお水だったんですよ、冷たくてね。
 最近は、保健所の指導により山の水は使用禁止なんですが」
 「お坊様も、なにかというとおそばですね。
 ケーブルがないころは、生のそばを背負って
 山を上ったそうです。
 上でお湯を沸かしてもらって湯がいたとか。
 天台宗には千日回峰行という厳しい行もありますが、
 断食をなさっていて、胃を慣らすのには、
 最初にそば粉をそばがきみたいにして食べます。
 五穀断ちをなさいますけど、
 そば粉は五穀に入っていないみたいです」

山王祭については、よそからたくさん来ていただく、
いいお祭りだとのこと。
 「すごいですよ。宵宮落しの時に、
 神輿を担ぐ方が生源寺の境内に集まって、
 読み上げといって、『何々組、どこどこの誰々』と、
 組ごとに勢ぞろいして名前を読みあげはるんです。
 呼ばはったら“おぉーっ”と返事をして。
 白装束で短いももひき、勇ましい格好でね。
 それで、合図で一斉に神輿の方へ、
 わーっと走らはるんです。すごく勇壮です」

山王祭は何日もある。いろいろな行事があり、
街中が盛り上がってくるんだろう。春の坂本は忙しい。

「本家 鶴喜そば」
滋賀県大津市坂本4-11-4
TEL.077-578-0002
●営業時間/10:00 〜18:00
10:00 〜20:00 (夏季)
第3金曜日定休

 

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鶴喜そば 正面

  本家 鶴喜そば 正面

「鶴喜そば」の上延節子さん

  「本家 鶴喜そば」の上延節子さん

勇壮な山王祭

 勇壮な山王祭


堅牢な石垣

取材を終えて

琵琶湖のほとりの街・大津市坂本。比叡山延暦寺と日吉大社の門前町、
穴太衆(あのうしゅう)という人たちが作った堅牢で重厚な石垣がある街。
「山王祭」の7基の神輿すべてを乗せた艀が、今、静かに動き出した。
見物客がいる湖岸に向かって武者姿の男たちが艀の上に並び、金と銀の扇をかざしている。
そこに陽が当たり、きらきら輝く。艀の四隅に立てられた細い竹が、綱で結ばれている。
この内側が聖域、神事が行われる尊い場所なのだろう。これから湖上で神事が行われる。
金色の神輿を乗せた艀がだんだんと小さくなっていく。
琵琶湖のほとりの街・坂本ならでは、日吉大社ならではの祭りだ。




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