<道頓堀川の地図はこちら>
「水都」再生に向けて。
道頓堀川の整備は、都市河川再生プロジェクトとして国の事業になった。
これを大阪市としてどのように整備しようとしているのか、スタート前、
大阪市建設局河川事業振興担当課長の川村幸男さんにお話を伺っている。
人と水辺が近づきやすく、賑わいと潤いのある河川空間として整備して
いくとのことだが、具体的にはどんなことが考えられているのだろう。
「水面近くに遊歩道を造ることで、親水性の高い潤いのある
河川空間、新しい水の都・大阪の創出を目指します。
道頓堀川は約30mの川幅ですが、ゆったり歩けるよう
両側に幅8mの遊歩道を計画しています。歩道は水面
から50B程度のところに設け、これまでは橋の上から
しか見えなかった水面を、より身近に感じていただける
ようにと考えています」
水に触りたくなる川にするような、工夫もあるようだ。
「大阪の川は、海水が満潮時にさかのぼる『感潮河川』です。
昔から、東横堀川上流と道頓堀川下流に、高潮防御に加えて、
水位の変化を利用して水質を浄化する水門を造っています。
今回の水辺整備事業に合わせ、潮の干満差を利用した水質
浄化だけでなく、パナマ運河のように構造を 変更し、
水門を二重の扉形式にして、いつでも船が航行できる
ようにしています」
遊覧船や舟運についてはどうだろう。
「大阪は、淀川の三十石船など舟運が重要な役割を
担って来ましたが、道路が整備された今、舟運は、
観光面や防災面で見直されています。
水辺整備事業でも、天神祭のどんどこ船や歌舞伎の
船乗り込みなどに利用出来る、船着場を設けたいと
思っています。整備事業が国のプロジェクトになり、
国、市、府、経済界などで、水都再生に向けた
いろいろな構想を検討しています。
また2003年3月には、大阪、京都、滋賀を結び、
『第3回世界水フォーラム』が開催され、大阪国際
会議場でせ会議が開かれます。成功に向けて、 イベ
ントをしているところです。これらの活動に参加し
たり、水の問題を考えたりするようになれば、川へ
の意識も 変わって、大阪が“水都”であることを感
じていただけると思っています」
東横堀川から大川を少しだけ通って、土佐堀川に入ろうかというところ。
すべてのカヌーが掃除をしつつ、二つある水門の一つ目を入り、
二つ目の直前で止まっている。一つ目の水門が閉まると、
水位を調整して二つ目の水門を開ける。
信号機が青になり、水門が開いた。20Bほど水位の下がった跡がある。
ここから土佐堀川に入る。
今橋をくぐると、視界が開けた。剣先公園の辺り。
OBPのツインタワーを背に、土佐堀川を行く。
水上から見る水都・大阪は、普段、阪神高速から見る街とは表情が違う。
中央公会堂が見えてきた。まもなく淀屋橋だ。

正午に出発し、3時間10分、大阪市内の川を旅した。
川によって、まったくその表情が違っていた。
何年か後に、水都・大阪がいきいきとよみがえる日が来るだろう。
その時を楽しみに待ちたい。
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ごみを拾いながらカヌーを進める参加者たち

大阪市建設局河川事業振興担当課長の川村幸男さん

道頓堀川水門

道頓堀川整備で期待される水都・大阪の再生
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