大阪の新名所「湊町リバープレイス」。今日はここから、「大阪リバーツーリング」に参加する船が出る。
私もそれに乗って、大阪を一周することに。かつて大阪は縦横に川が流れ、水運で栄えた「水の都」だった。
運送が車に代わり、水質が落ち、川と人が触れ合う機会が減ったため、大阪市は道頓堀川の整備を進めてきたが、
それが国の都市再生プロジェクトの先進的な事業として位置づけられ、今後は重点的に整備が進められることになった。

 

 

       <道頓堀川の地図はこちら>


川に意識を向けるために。

道頓堀川、湊町の船着場に舟が集まって来た。
ほとんどがカヌーだが、今日乗せてもらう舟は動力で動く舟だ。
天気は最高。「大阪リバーツーリング」実行委員長
(ユーピー スポーツ社長)の山崎勇祐さんにお話を伺った。
 「今回は4回目で、参加者は40艇ほどの舟で60〜70名ぐらい
 ですね。これに参加するのは、基本的にはエンジンなどの動力を
 使わない舟です。水をきれいにしようという運動なので、
 排気ガスやオイルのイメージがあるエンジンの舟は使わずにやろうと」
どんなコースを行くのだろうか。
 「リバープレイスから、道頓堀川を東に日本橋の方へ行き、
 松屋町筋の少し手前で左に回って東横堀川へ入ります。
 ずっと行き、水門で水位を調整して大川〜土佐堀川へ出て 西に向かい、
 左に回って木津川を下ります。右手に大阪ドー ムが見えるところを
 左に入って、ここへ戻って来ます。大阪一周です」
この企画をしようと思ったきっかけも伺った。
 「30年ぐらい前から、ハンググライダーで世界中の空を飛んで
 いたんですが、生駒山で空気の汚れ臭いなどが気になりました。
 年も取ってきたんで、段々と下がってきて、あんまり危険のない
 マリンスポーツをするようになると、今度は海が汚い。これは、
 よく考えると川が汚れているんですよね。川がきれいになると
 海がきれいになる。海がきれいになると地球がきれいになる。
 川をきれいにするには、ごみをほらないなど一人一人のモラルが
 大切ですが、今は治水第一で堤防が高くなり、川に背を向ける
 生活になっているんで、川への意識が全然なく、みんな汚すんです。
 川に意識を向けるために、この運動を始めたんです」


大阪一周の川の“旅”へ。


スタートのアナウンスが流れ、「湊町リバープレイス」を出発した。
カヌーも参加者もカラフルだ。八百八橋の最初の橋・深里橋に。
橋が低くて、頭をぶつけないようしゃがむように指示が出た。

新戎橋をくぐった。道行く人や川岸の店の人が、手を振ったりしている。
まもなく、グリコの看板で有名な戎橋。阪神優勝時などに飛び込む、
おなじみの橋だ。舟からアナウンスでPRしつつ、そこをくぐり抜けると、
何事かとみんな橋から覗き込む。この辺りは、全国の都市整備計画の
モデル事業として、大阪市が遊歩道の工事をしている場所。
完成したらきれいだろう。参加者たちは、カヌーに持ち込んだごみ袋を
出し、 ごみを拾いながらPRをしている。

ターンして、南北に流れる東横堀川へ。上大和橋が架かっている。
川の上に蓋ををするように(阪神高速)環状線が走り、
どこに川があるか分からない。堤防は高く、歩いていても川が見えない。
これでは川に親しむといっても大変だ。

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湊町リバープレイス


「大阪リバーツーリング」実行委員長 の山崎勇祐さん(右)


グリコの看板で有名な戎橋


上は道路、横は堤防


ラジオ大阪