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兵庫県宍粟郡一ノ宮町を源流に、引原川、栗栖川などと合流して龍野市に達し、
播州平野を形成しながら林田川と合流、姫路市の播磨灘で瀬戸内海に注ぐ。
流域面積810平方KM、全長70km、兵庫県内では加古川、円山川に次ぐ流域を持つ。
豊かな流れは播州平野を潤し、手延べ素麺、薄口醤油をはじめ多くの産業を育ててきた。

揖保川の地図はこちらをご覧ください。


第一章

揖保川の清流にいだかれし古都・龍野の春。
〜桜づつみが満開〜

龍野市都市計画課公園街路係 満田勝義さんのお話

揖保川中流域の古都、「播磨の小京都」
龍野を流れる揖保川の西岸には、
日本でもここだけという
「たたみ堤」がある。もしもの時、
畳をはめ込んで洪水に備えるという。

もうひとつ、龍野にはこの季節ならではの堤防
「桜づつみ」がある。揖保川と並行に800mというが
まるで何キロも続いているようだ。

  「昭和63年、この地区が都市計画区域に入り、
  公園をつくってもよいよという時期と“桜づつみ”の
  事業を始める時期が重なって、近畿でもっとも早く
  手掛けることができたんです。約370本、
  35種類の桜を日本各地から集め、
  下流から上流へとしだいに咲いていくように
  植えています。寒桜は11月頃から最後のヤエザクラは
  4月中旬頃まで。長い時期、
  桜が咲いているように植えています」

最近でこそ、川の周辺をきれいに、景観を美しく、
ということが言われはじめたが、以前は、
植物を植えてはいけなかったという。

  「堤防破損のおそれがあるものは、
  国土交通省の許可が得られない。
  桜もそう。堤防の機能も果たさないまま
  桜を植えて枯れたりしたら、洪水の時、
  そこから堤防が崩れる。この桜づつみは堤防としての
  必要な機能はしっかり整備し、その上に
  桜を植えるための土を盛り、
  そこに木を植えるわけです。
  桜を植えるため川の側に土を盛ることは、
  水流の関係上できない。堤防をつくった後に、
  川と反対側に土を盛りような広げた状態です」

この「桜づつみ」、桜以外にも
さまざまな植物が植裁されている。桜が終わっても、
「ツツジづつみ」など、いろいろな堤に変化する。

  「この桜が、やはり龍野にとって一番の自慢ですね。
  それと横を流れる揖保川。鮎が来る清流で、
  毎年5月末に解禁になると鮎釣りの方がたくさん来ます。
  数年前までは揖保川も水質は最悪でした。
  ワースト10に必ずランクイン。
  下水道工事を急ピッチで進めていますが、
  生活排水を下水へ取りはじめて、
  揖保川は、今では日本でも上位に
  ランクされるほどの水質になったんですよ」

遠くから見ていると、龍野は、童謡「赤とんぼ」の
イメージが強い。その「赤とんぼ」の
三木露風だけではなく、「エリート」という言葉を
日本にはじめて取り入れた哲学者の三木清、
旧制第一高等学校の校歌を作詞した矢野勘治など
魅力的な人物も多い。
誰もが龍野の風土と景観を愛している。
その中核にあるのが「揖保川」なのだろう。

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さくらづつみ

  桜づつみ

  揖保川の風景

満田勝義さん

  満田勝義さん

桜並木  どこまでも続く桜並木



ラジオ大阪