<PART 2>

お祭りvs農業体験


廣瀬神社・樋口宮司と

 ごちそうを食べたスマイルが訪れたのは、飛鳥川と大和川、曽我川の合流地点の近くにある廣瀬神社。樋口俊夫宮司が出てきてくれました。
瀬戸 川の交差点みたいな所にありますが、川や水に関係のある神社なんでしょうか。
樋口 奈良盆地を流れる川が、すべてこの廣瀬神社に集まってきます。ここでは、「砂かけ祭」という雨ごいをするお祭りを、毎年2月11日にしています。砂を雨に例え、“砂かけ合戦”をして、雨が降って田植えが十分にできるようお願いをします。
瀬戸 この大和川は、昔と変わっていますか?
樋口 だいぶ変わりました。私たちの年代は、子供のころに大和川で泳ぎを覚えました。今は子供が近寄りません。また子供たちが遊べる川になってほしい。


サバーファーム・井阪さんと

 さて、ストリークは大和川に戻る途中、石川に合流している佐備川方面にそれ、富田林市農業公園サバーファームに立ち寄りました。お話は井阪貴司さんです。
山田 ファーム!?どこのプロ野球の2軍ですか?
吉本 違いますよ。ここは、一面に花畑や普通の畑が広がる楽しそうな施設です。井阪さんに伺います。
井阪 農業を実際に体験してもらったり、花を見て心を癒してもらったり、野菜を収穫したりして、楽しんでいただく施設で、面積は甲子園の約6倍あります。
吉本
 どういうものが収穫できるんですか?
井阪 5月中旬ごろまで、イチゴ狩りをしています。野菜も、今は大根や白菜、キャベツなどが取れます。他に、子供向け遊具、バラ園、大温室、バーベキューハウス、食事のできるサバーキッチンなどがあります。

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斑鳩の里観光ボランティアの会
吉野さんと

 スマイルは、あと少しで大阪。支流の竜田川へとそれ、斑鳩町の竜田公園で「斑鳩の里観光ボランティアの会」の吉野俊明さんと落ち合いました。
瀬戸 吉野さん、あれは何という山ですか。
吉野 神様の宿る山、三室山です。高さは82m。昔、在原業平という絶世のハンサムが、「ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは」という歌を詠みました。この川は今は竜田川ですが、本来は平群川。この歌の竜田川は、今の三郷町辺りの大和川のこと。大変奇麗な紅葉があったそうです。

 


歴史資料館の安村さんと

 ストリークも奈良県一歩手前の柏原市。大和川の堤防上にある中甚兵衛像を見つけ、それを詳しく調べるために柏原市立歴史資料館を訪ねました。お話は学芸員の安村俊史さんです。
安村 中甚兵衛は、今の東大阪市にあった今米村の庄屋です。周辺は大和川が何度も洪水を起こしていたので、彼が中心になって付け替えを50年ぐらいお願いしました。工事は8カ月で終わっているんですけど、特別な道具がないので、くわやすきで土を掘りました。
山田 そんなちまちま作業した。
吉本 何人ぐらいでやったんですか。
安村 大体、毎日1万人ぐらいの人が働きました。


亀の瀬で知る大和川の真実


亀の瀬の斜面の上から

 さあ、いよいよ2組が合流します。場所は、大阪府と奈良県の府県境に近い大阪府柏原市の「亀の瀬」。気になる私も、現地へ駆けつけました。
4人 おーっ!毎度!ウーイェイ!
山田 なんでおんねん。
瀬戸 僕たち上流からずっと下ってきたんですよ。
山田 俺ら下流からずっと上がってきたんや。
愛須 皆さん、初めまして。愛須理絵です。実は、今回は私が皆さんに大和川の散策をお願いしました。
4人 えーっ!
吉本 この場所、何て言うんですか。
愛須 亀の瀬といい、昔から地すべりする所として知られています。そうなると、大和川の水がせき止められ、奈良側が大きなダム湖みたいになって水に浸かり、水がたまってきて決壊すると、今度は一気に大阪側に水が流れて洪水になります。
山田 いつも水中メガネを着けてた方がいい?
吉高 浮輪、持っとった方がいいですね。
愛須 そうならないような大規模な工事が、今も続けられています。巨大な杭を打ち込んだり、地下水を抜いたりね。さあ、それでは皆さん、今からここで、大和川での楽しい思い出を大いに語ってください。

 

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亀の瀬で

地すべりしない、だから漫才も「スベらない」という意味を込め、亀の瀬を最終地点に選びました。ストリークとスマイル、そして、私も何とか合流することができ、それぞれが道中で体験したことを披露しあって、大和川の話題で大いに盛り上がりました。皆さんも、大和川の小旅行を楽しんではいかがでしょうか。

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