●“コミュニティシネマ”とは
“コミュニティシネマ”とは、日本語で“公共上映”です。2001年に『文化芸術振興基本法』が制定されて、「映画も芸術の一つである」ということを国は謳(うた)いました。映画は大変優れた文化ですので、もっと幅広くたくさんの方に見てほしいという思いがありました。例えば、古い音楽は学校の授業で習いますが、古い映画は習いません。そういう地位格差をなくす活動や、そのための(歴史的な作品を含めた)いろいろな映画の上映活動を行っています。
●官民が一緒になった映画上映を!
2003年、全国の自治体や映画関係者が大阪に集まって、『映画上映ネットワーク会議』が開催された時に、“コミュニティシネマ”の必要性について注目しました。全国で積極的に公共上映を行っていこうと、『コミュニティシネマ宣言』を発したのも大阪で、2003年から『コミュニティシネマ事業』として、いろいろな活動を行ってきました。
●『コミュニティシネマ大阪』の誕生
『コミュニティシネマ大阪』は、『大阪市都市協会』が2007年3月で解散になったのを契機に、新しくNPO法人を作って、大阪市などさまざまな団体から協力を得て、官民が一緒になって優れた映画の上映を行おうと始めた事業です。
●映画ファンのために
ただ映画を鑑賞するだけではなく、映画の背景やいろいろな考え方について話を聞く『映画連続講座』を開催しています。また、2月29日〜3月2日には、大阪歴史博物館で『おおさかシネマフェスティバル』を開催します。これは“映画ファンのための映画まつり”で、和央(わお)ようかさんをはじめ映画スターのみなさんをお招きして、楽しいひとときを過ごそうという企画です。毎年“ベストテン”や個人賞を決めていますが、個人賞は「大阪ゆかりの俳優さんたちに活躍してほしい」、「大阪の映画をもっと活性化したい」という思いで、大阪に関係のある作品や俳優さんを中心に選ばれています。最終日は、恒例の発表と表彰式を行います。
●子どもたちに映画の良さを伝えたい!
『こども映画祭』も開催します。今の子どもたちはテレビばかりで、映画離れが進んでいます。アニメ映画だけではなく、親子で一緒に映画を見て、お父さんやお母さんが涙を流していると、子どもは驚くと思います。そういう場が必要だと思っています。もっとアートに親しんでもらうためのワークショップも行い、アートの良さを実感してもらっています。例えば、「じゃあ何か作ってみよう」と言って映画を撮ってもらいます。(映画の中では)自分が空中を飛んだり、自分の描いた絵が動いたりしますので、感動すると思います。
●大阪をアジア映画の拠点に
大阪市と協働で『大阪アジアン映画祭』を開催します。昨年までは関西テレビによる開催でしたが、今年は事務局を『コミュニティシネマ大阪』に置くことになりました。アジアの隠れた名作を見つけてきて、大阪から全国に発信します。映画監督や俳優さんにも来ていただいて、大阪をアジア映画の拠点にしたいという大きな夢を持っています。
●映画を見るための場所を作ろう
ハコ(映画館)を増やすことは大変です。それよりも、例えば廃校になった学校などの施設を上手く利用して、大阪を中心にいろいろな地域で、映画が好きな人たちが集まれるような場所を作っていくことが大切だと思っています。
<お問い合わせ> NPO法人『コミュニティシネマ大阪』 TEL 06-6373-1211
http://www.ccosaka.org/
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