●自閉症とは
自閉症は、生まれながらにして起こる脳の機能障害で、原因は徐々に解明されてきています。成長の途中で起こるものではなく、子育てとは関係ありません。自閉症には知的障害をもっている方、知的障害はなくても高機能自閉症やアスペルガー症候群などの方もおられ、百人百様です。
●さまざまな“障害”
自閉症には、大きく分けて“社会性の障害”、“コミュニケーションの障害”、“想像力の欠如による障害”の三つの症状があります。周りの状況が分からず、集団行動が難しいようです。お母さんや保育士さんの話を聞けなくて、ただひたすら自分の興味を持ったところに行ってしまったりします。また、耳で聞いて判断することや理解することが難しいので、会話としてのやりとりが成立しないという特徴もあります。そのほか味覚、聴覚、視覚など感覚的に敏感な部分がある一方、ものすごく鈍感なところもあります。例えば、聴覚過敏のある子どもの場合、町で人の多い所へ出てしまったら、耳塞ぎをするなどして、パニックを起こしてしまうことがあります。
●親の悩み
自分の子どもが「障害をもっている」ということを認識できない親も少なくありません。最初は、それが現実だと受け入れられないのです。その後、受け入れるようになってからは「私は親として、この子にどう接してあげたらいいのだろう?何ができるだろう?」と悩んでしまいます。そんな方には、「そういう悩みを抱えているのはあなただけじゃない。1人じゃないのですよ。症状もみんなそれぞれ違いますよ」と話しています。
●『チャイルズ』の活動
是澤(これさわ)ゆかり代表が、知的障害児通園施設で知り合った自閉症児の親御さんに声を掛けて『親の会』をつくり、自宅で勉強会を始めたのが活動のきっかけです。メンバーが増えたので、港区民センターを借りるようになり、現在は65人が参加しています。自閉症だけでなく、いろいろな障害を持った子どもの親御さんも交えての勉強会や、年3回外部の先生を呼んで講演会をしています。会員が集まる機会は月1回ですが、それ以外の時にはメーリングリストで情報交換を行ったり、交流を深めたりしています。
●“日常生活”を教えるということ
自閉症の子どもは、耳で情報を聞き取るより目で見るほうが得意です。そこで、絵カードや写真を使って視覚的に訴えて“視覚支援”をする方法を育児支援や子育て支援という観点から学んでいますし、そういった情報を提供しています。例えば、日常生活において「お風呂、トイレ」と言って分からなくても、お風呂とトイレの写真を見せたら分かるのです。
●子どもたちの好きなイベント
なぜか鉄道が好きな子どもが多いので、特急『ラピート』に乗って関西空港に行って飛行機を見て、特急『はるか』で帰ってくるといった少し贅沢な小旅行も楽しんでいます。また、料理が好きな子どもがいれば料理教室を開きます。そういった子どもたちが楽しめるイベントも行っています。
●町全体がやさしくなれるように
大阪24区それぞれにある『親の会』を育てて、いろいろな人に幅広く活動してもらえたらと思っています。また、大きな目標ですが、障害のあるなしに関わらず、困っている人がいたら、やさしい姿勢を一人一人が持てるようにして、会だけでなく町全体がやさしくなっていくような活動をしたいと思っています。NPO法人『チャイルズ』の会員には、どなたでもなることができます。入会金1000円、会費月1000円です。賛助会員(入会金なし、会費月500 円)とボランティアも募集しています。
<お問い合わせ> NPO法人『チャイルズ』
TEL 06-6886-1200
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