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毎回、大阪を拠点に活動しているNPO法人やNGO、ボランティア団体、そして大阪のいろいろな地域で活躍している方やその地域の活動内容を通して、大阪の「ひと」や「まち」の魅力を発見していきます。
たくさんの人に知ってほしい大阪を魅力いっぱい、情報満載でご紹介していきますので、みなさんご期待ください。

2007年6月16(土)放送
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人と人とをつなぎ
子どもを育てる地域の“場”を求めて
〜大阪の子育て事情 徹底討論!(前半)〜

今回は、スペシャルプログラムです!『大阪 ひと・まち魅力発見事業推進会議』では、この番組に出演していただいた人たちが集まって、大阪の活性化のために話し合う場“ラウンドテーブル”を開催しています。その多くの団体の中から、子育てやその周辺をテーマに活動されている6つの団体の代表の方にお越しいただき、ラジオ大阪のスタジオで議論していただきます。一昨年には、“まちづくり”をテーマに活動されている6つの団体の代表の方に議論をしていただき、大変盛り上がりました。さて、どんなお話が飛び出すのでしょうか。

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松本:これまでに番組でご紹介してきた多くの団体の中から、子育てやその周辺をテーマに活動している6つの団体の代表の方にお越しいただき、大阪の子育て事情について、熱い議論をしていただくことになりました。今回は、全員が女性です。

藤原:それでは、過去の番組へのご登場順にご紹介します。NPO法人『ハートフレンド』代表理事の徳谷章子(とくたに あきこ)さんです。東住吉区を拠点に、お母さんたちのパワーで、子どもたちに遊びを教えたり、自主的な勉強の場を提供したり、育児サポートなどの活動を行っています。また、『第2回東住吉区金魚すくい選手権大会ハートフレンドカップ』が、『大阪 ひと・まち魅力発見事業推進会議』の大阪を盛り上げるためのラウンドテーブル事業企画コンペで、優秀企画賞に選ばれています。

徳谷:こんにちは!よろしくお願いします!

藤原:『ぐるーぷ ぬ!』代表の坂口真子(さかぐち まさこ)さんです。『ぐるーぷ ぬ!』は、浪速区を拠点にお母さんたちで活動している人形劇団です。明るく楽しい人形劇は子どもたちに大人気で、図書館や保育所などへの出前公演でひっぱりだこです。また、共同主催した『浪花ふれあい人形劇まつり』も、『大阪 ひと・まち魅力発見事業推進会議』のラウンドテーブル事業企画コンペで優秀企画賞に選ばれています。

坂口:こんにちは!よろしくお願いします!

藤原:『阿倍野区子育て支援連絡会』の中谷邦子(なかたに くにこ)さんです。『阿倍野区子育て支援連絡会』は、お話グループや保育グループ、人形劇グループなどの市民グループはもちろん、阿倍野区コミニュティ協会や社会福祉協議会、阿倍野区役所といった公の組織、さらには、助産師会や栄養士会など専門家の集まりなど、およそ40の団体が所属している子育てネットワークです。中谷さんは、そのネットワークづくりを担っているNPO法人『こももネット』の代表も務めておられます。

中谷:こんにちは!よろしくお願いします!

藤原:『人形劇団 クラルテ』前代表の松本則子(まつもと のりこ)さんです。『人形劇団 クラルテ』は、約60年前の1948年、大阪の焼け跡から生まれた伝統あるプロの人形劇団で、学校の巡回公演をはじめ、子どもはもちろん大人も楽しめる人形劇の公演を、全国で行っています。また、地域のアマチュア人形劇団への支援や指導も、積極的に行っています。『浪花ふれあい人形劇まつり』にも、プロ劇団として参加されていました。

松本:こんにちは!よろしくお願いします!

藤原:NPO法人『しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西』事務局長の中野冬美(なかの ふゆみ)さんです。中野さんは、孤立した子育てをしがちなシングルマザーと、その子どもたちの交流活動をはじめ、シングルマザーのみなさんの悩みや考え、希望などを、国や関係機関に訴える事業や、行政のシングルマザー相談窓口になっている職員を対象にした、『ひとり親家庭相談養成講座』を行う事業なども手掛けていらっしゃいます。

中野:こんにちは!よろしくお願いします!

藤原:東淀川区ボランティアスタッフ人形劇『たまご』代表の黄瀬妙子(きせ たえこ)さんにもお越しいただく予定ですが、現在、大阪市内で公演中ということで、終わり次第、かけつけてくれます。

松本:さて、これまでみなさんは、それぞれ独自の活動をされてきておられます。その活動を通じて感じている“子育て”における問題点が、いろいろあるようですね。

中野:シングルマザーの集まりで、お母さんたちが子育てをする時に一番大変だと思うことは、地域でのネットワークが切れているということです。そのことが、大きな壁やプレッシャーになっていると感じています。

松本:今の子どもたちには何が必要だと思いますか?

徳谷:放課後は塾や習い事でとても忙しく、自由にいろいろな友達と遊べる場所も時間もない。地域の中に、子どもたちがふらっと行くことができて、誰か他の子どもがいつでも待っていてくれるような“場”づくりができたらいいな、と思います。

松本:徳谷さんが子育てをする間にも、状況は変わりましたか?

徳谷:変わりましたね。私の子ども時代には、家の前の道でも隣近所の人たちと気軽に話ができる付き合いがありました。今は毎日、乳幼児広場を開設していますが、あるお母さんが5ヶ月の赤ちゃんを連れて来られて「主人と赤ちゃん以外の人と喋る機会がありません。私にも友達ができますか?」と言われました。地域の中で孤立してしまっている人たちに「ここはいつでも来ていいのよ。何でも相談してね」と言える場所が必要だと、強く思います。

松本:この中では『人形劇団 クラルテ』の松本さんが一番年配者ですよね?今の状況と比べて、昔はどうでしたか?

松本:昔は、ボール投げができるような原っぱや空き地がたくさんありました。テレビもないので家にこもることもなくて、子どもたちは家の外でないと遊べなかったのです。

松本:僕らが子どもの頃にテレビ、その後の世代でテレビゲームが出てきました。確かに、家にこもる機会が多くなってしまいました。

坂口:私もかつては、子どもたちを連れて公園で遊んでいました。最近びっくりしたことなのですが、若いお母さんたちに「昔はどろんこ遊びをして遊んでいた」と話した時に「どこでどうやって遊ぶんですか?」という質問が出たのです。水を持って公園に行けばできるのですが、「では、その水はどこから持ってくるの?」というふうに、お母さんたちの発想が乏しくなっているのを感じます。お母さんがしないことは、子どもたちもしません。そこで、人形劇活動は図書館でも行っているのですが、どこかに出掛けないと話ができる環境がないので、「できるだけ来てください」と声掛けをしています。

松本:どろんこ遊びにも、昔のお母さんは理解がありました。帰ったら「なんや、そんな格好して!」と怒られたものですよ(笑)。でも今はまず、子どもたちがどろんこ遊びをしないのですね。

坂口:どろんこ遊びをすることで、いろいろな菌に対する抵抗力がつくらしいです。“汚い”と思わず、どんどんしてほしいのですが。

松本:そうですね。子どもたちの置かれている状況が変わってきている今、お母さんが子どもに、自分の育ってきた環境をどう伝えていけばいいか、ということも大切です。

徳谷:『ハートフレンド』は“子ども会から生まれたNPO法人”と言われています。以前は子ども会、PTAなどの団体がバラバラでも成り立っていました。ところが今、個々の団体だけでは、地域の子どもたちやお母さんたちに、活動がなかなか提供できません。やはり、地域のキーパーソンになる人たちが連携し合って、お互いの立場や事情をよく知り、地域のことを話し合う場を持ちながら、それぞれの活動を支え合っていくことが、とても大事だと思います。子ども会もNPO法人『ハートフレンド』と連携しますが、『ハートフレンド』も『社会福祉協議会』と共催させてもらっています。いろいろな立場の人が関わることで、そこへ来る人たちも変わってきます。その中で、いろいろな立場のお父さんやお母さんが時間を共有して、理解も深まります。近所のおっちゃん、おばちゃんも覗きに来てくれます。最初はどろんこ遊びに抵抗がある子どもたちも、やっているうちに夢中になって「テレビゲームより面白い」と言います。子どもたちが楽しく遊んでいると、お母さんたちの理解も変わってきます。コンビニが増えたり、パソコンが普及したことで、孤立化している家庭が多いのだと思いますが、地域で手を差し伸べたら、みなさん、案外手を出してくれます。

中谷:産休や育児休暇から職場復帰される方は、子どもを保育所に預けてしまうことが多いので、お友達も保育所だけの友達になりがちです。だから、「出産から職場復帰するまでの間にお友達づくりをしましょう」という意味で、“つどいの広場”の存在は有意義だと思います。その時は、2〜3週間の間だけのお友達でも、小学校に行けば、また同じ地域の友達として遊べます。障害をもった子どもたちは、養護学校などに行くと、なかなか地域のお友達ができません。お母さんも公的な支援は受けられますが、地域のお母さんたちとの交流や子育ての意識の共有はできずに、孤立してしまいがちです。やはり“地域”って大きいですね。誰でも参加できて、しばらく会えなくても、またそのうちに出会えるような地域づくりが必要だと思います。行政のサービスだけではなく、商店街のおっちゃん、おばちゃんに欲しいものを言えば取ってくれる、というようなコミュニケーションをもっと大事にしたいです。ベビーカーを押してのお買い物はスーパーが便利、と言う人が多いと思いますが、本当はそうでないことも多いのです。

松本:買い物も、昔は“対面式”でした。お母さんもお店の人と会話をして、地域に馴染んでいました。子どもはそのやり取りを見て育ちます。そこで、“人との交わりの原点”を学んでいた気がしますね。

中谷:お風呂屋さんでも、昔は誰かが「子どもは見といたるから、ゆっくり入っておいでー」という会話がありました。誰かが子守りをしていてくれたのです。今はお風呂屋さんに行くことも少なくなりましたが・・・。

松本:便利さの影で断ち切られてしまったものが、今になって実感されてきますね。分野は違いますが、『人形劇団 クラルテ』の松本さんも、地域への思いを共有してこられたと思います。子育てを、みなさんで連携して、助け合っていく可能性をどう思われますか?

松本:私たちは呼ばれて行く側ですから、季節ごとのイベントで行った時などに、主催している方々の考えと私たちの考えがずれていると、二度と呼んでもらえなくなります。逆に、私たちの人形劇が、実際に子どもたちと接している地域の人たちと同じ考えの下にあれば、共に励まされるのです。連帯感が生まれて、「また来てね」「また呼んでね」という話になります。呼ばれたことによって劇団も成長し、見てる子どもも成長し、主催した大人も成長できるような劇団でありたいです。

松本:地域の人たちと相通ずるものがあれば、それを基点にして活動を広げることができますね。

松本:突飛な話になりますが、昔は小学校で、もっと人形劇や演劇の公演が行われていました。大阪市内には、『人形劇団 クラルテ』の人形劇を6年間見ている子どもがたくさんいました。今は、毎年人形劇の公演をする学校がありません。20年くらい前には、子どもたちに「わークラルテだ!」という憧れの目で見てもらえていましたが、今は「何それ?」と言われます(笑)。来年は結成60周年になるので、春に市内60ヶ所で人形劇をしようと考えていて、自分たちの大阪に「クラルテあり」と、大阪市内の子どもたちが誇りに思えるような劇団にしたいです。

坂口:『ぐるーぷ ぬ!』は主催者にも、呼ばれて行く側にもなります。昨年『浪花ふれあい人形劇まつり』を開催した時に、浪速区の方は案外、“物を観る”、“観劇する”ということに慣れていないと感じました。人形劇を見ること自体が初めてという人たちもたくさんいました。アマチュアの劇団による無料の公演だけでなくプロの劇団による有料の公演もあったのですが、突然入って来た方が「プロの劇団を子どもに見せたいけど、今はお金を持ってないから」と、わざわざお金を取りに帰って「子どもに見せてあげて」と言われました。それを見て、私たちは「やった甲斐があったな」とすごく喜びました。たくさんの人たちに見ていただく“場”をもったことで、人のつながりができることは大きいです。

松本:話は盛り上がってきましたが、続きはまた来週、お送りしようと思います。




NPO法人『ハートフレンド』
代表理事
徳谷章子さん



『ぐるーぷ ぬ!』
代表
坂口真子さん



『阿倍野区子育て支援連絡会』
中谷邦子さん



『人形劇団 クラルテ』
前代表
松本則子さん



NPO法人『しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西』
事務局長
中野冬美さん



東淀川区ボランティアスタッフ人形劇『たまご』
代表
黄瀬妙子さん



















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