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毎回、大阪を拠点に活動しているNPO法人やNGO、ボランティア団体、そして大阪のいろいろな地域で活躍している方やその地域の活動内容を通して、大阪の「ひと」や「まち」の魅力を発見していきます。
たくさんの人に知ってほしい大阪を魅力いっぱい、情報満載でご紹介していきますので、みなさんご期待ください。

2007年5月26(土)放送
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伝統文化を絶やさないで!
発掘、記録し、守り、育てる活動
〜『大阪伝統文化を育む会』〜

今回は『大阪伝統文化を育む会』をご紹介します。大阪の伝統文化・芸能といえば、文楽をはじめ上方落語、浪曲(浪花節)などの他、天神祭やだんじりなどのお祭りも有名ですが、今は忘れられつつある伝統文化も、たくさん存在します。そんな大阪の伝統文化を掘り起こし、守っていく活動をしている団体です。代表の本津絢子(ほんつ あやこ)さんに、お話を伺います。

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●きっかけ

豊中市にある『日本民家集落博物館』の運営協議委員に、経営コンサルタントの立場で任命されたことが大阪府教育委員会と関わるきっかけでした。その頃、文化庁が『ふるさと文化再興事業』を立ち上げたのを受けて、大阪府教育委員会では『大阪府伝統文化総合支援研究委員会』を発足させました。その委員の一人として、事務局をお引き受けし、調査研究するうちに、『大阪伝統文化を育む会』が必要だと感じるようになりました。


●ふるさと文化再興事業

2001年(平成13年)から始まった事業です。大阪府では“復活”、“伝承”、“振興”などの事業テーマを決めて、取り掛かりました。まずは“復活”というテーマで、1913年(大正2年)以来途絶えていた、和泉市にある“南横山笹踊り”の調査を、2003年までの3年間行いました。


●伝承の困難さ

伝承が途切れたものも多く、資料集め・調査には苦労します。調査方法の一つに、同種の踊りの関連調査を行います。“南横山笹踊り”の場合は、“風流太鼓踊りの雨乞い踊り”と呼ばれるもので、堺市の“こおどり”や岸和田市の“かつらぎ踊り”と同種の踊りでしたので、こうした踊りの調査を行いました。その時は、偶然見つかった資料に、1977年(昭和52年)に小学校の運動会で“太鼓踊り”を演じている8mmフィルムがあり、そのおかげで、復活に向けて大きく前進しました。たまたま記録が残っていたのでよかったのですが、伝承研究の困難さを感じます。


●祭りを“記録”する

西成区玉出にある生根(いくね)神社に“だいがく”が保存され、祭りの時だけに公開されています。約17mの心棒に“ヒゲコ”という傘や提灯をつけた大掛かりな“だいがく”を組立てます。夜には提灯の色や灯り、鈴の音色がたまらなく美しいものです。そういう昔からのお祭りを、報告書という形で記録するなどして、伝承していく活動もしています。また泉州地域の盆踊りも、途絶えさせないように、記録映像をDVDに残しました。また、みなさんもご存知の“十日えびす”の現地調査では、大阪府内で約90ヶ所を記録しました。


●“ゆかりの地”をテーマに

現地調査や資料集めなどを行って、本格的な報告書を仕上げると、文化庁や日本全国の主な図書館に納めています。ただ、それだけではなく、「もっともっといろいろな人に知ってもらいたい」、「生活スタイルが変わるとどんどん伝統文化が伝承されなくなる」という気持ちがあり、『大阪伝統文化を育む会』の基礎となる活動を始めました。まず、大阪の“ゆかりの地”をテーマに資料を集め、イベントを行いました。近松門左衛門の『曾根崎心中』をテーマに主人公の“お初”と“徳兵衛”の命日(4月7日)にちなみ、お初天神で文楽の写真や資料をメインとする展示を行いました。その他、中央区の御霊(ごりょう)神社では、かつて文楽小屋『御霊文楽座』があったことから、その時代の文楽公演の写真や御霊神社に関する資料の展示、シンポジウムやスタンプラリーなども行いました。




<お問い合わせ>
『大阪伝統文化を育む会』
TEL 06-6944-2200


代表
本津絢子さん


玉出の“だいがく”

御霊神社でのシンポジウム

お初天神での展示


● 取材を終えて、感じたこと

伝統文化とは、地元地域の財産であり、人々の生活に密着したもの。「文化財」と言って特別に持ち上げるものではなく、本来は自然に伝え残されるべきなのだとお話されていました。
大阪には花町の文化もあり、「へらへら踊り」など芸妓さんの芸もあるようです。京都や奈良だけではなく、大阪にもこうした文化が根付いていたのですね。
素晴らしい伝統文化を、今後も多くの人に親しんでもらえるよう、これからの活動も応援しています。


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