●インタビュー前半
藤原:『ゴールデンエイジネットワーク 風の会』という名前の、“ゴールデンエイジ”とは、
どういう意味ですか?
河本:高齢者に関する表現として、“シルバー”という言葉がたくさん使われています。例えばシルバーシートなどでも、“シルバー”の人たちは弱々しいから、来たらサポートしないといけないという印象を持たれがちです。そういう意味で、“シルバー”という言葉は大変マイナスイメージが強いです。だから、その“シルバー”をちょっと輝かそう、高齢者を“ゴールド”というネーミングで呼んで、“輝いて、元気でいこうや”という意味があります。
藤原:具体的にはどんな活動をされているのですか?
河本:まず、『風の会』に集まる場所を作りました。そこに集まってくれば、話仲間や社会の先達、一芸を持った人もいるそんな場所にしたいと思いました。そして、その中で一芸を持った人に、自分の得意技を、例えば、仏教の話やいろいろな国の言葉、文化、食などについて紹介してもらったり、また、桜見物などへ出掛けることもあります。そうした誰かが企画したものに、誰かが参加する会を開いています。言うならば“メダカの学校”みたいなもので、みんながある時は生徒で、ある時は先生になります。メダカが群れるみたいに、“ゴールデンエイジ”たちが、自分たちの癒しの場を作って、そこへ参加してきます。すると、みんな元気になって、今まで知らなかった世界が見えてきます。
●スタジオ
藤原:例えば、お寿司や書道など、身近なものをテーマにした講座があります。参加費は1000円、2000円など、その都度変わるそうですが、500円からでも参加できる講座があるなど、あまり負担はかからないようにしているそうです。しかも、その参加費の中から、お菓子や、ビールにつまみを買って出したりするそうです。和気あいあいと楽しみながら参加できる、といった印象を受けました。講座には参加費が必要ですが、会費は集めていないそうです。はっきりとした会員の数は分からないのですが、『風の会通信』という会報を出されていて、それを送付している人の数が約400人いらっしゃるそうです。
松本:結構な数ですね。
藤原:お正月などは、100人以上の方が集まってくるということですから、かなり大きな会ですね。さて後半部分は、気になる“エアディナー”について伺います。
●インタビュー後半
藤原:先日、世界初の『エアディナー大会』というイベントを開催されたということですが、どのようなイベントなのですか?
河本:一言で言えば、“エア”の食事をいただくということです。
藤原:“エア”とは、空気のことですね?
河本:イメージとしては、落語の“時そば”。落語家が食べる仕草で、演出するでしょう。
藤原:おいしそうに食べますよね。
河本:それを、どれくらいおいしく食べるか、食べ物への感謝を込めて、どんな仕草で食べるか、というパントマイムのようなものです。
藤原:食べる真似ですよね?なぜ、それをしようと思われたのですか?
河本:きっかけの一つとしては、大変俗っぽい発想になりますが、“エアギター”の世界大会が行われて、日本人が優勝したというニュースでした。そこから、他に“エア○○”ということができないか、という発想があったのです。また、もう一方には “食”に対する問題意識があります。日本人は、食に対して非常にもったいないことをしています。食べ物を輸入しておきながら、食べないで捨てています。そうした“もったいない”ことや環境問題といったことをテーマに、こうした遊びみたいなイベントを通じて、みなさんに伝えられないか、裏に“ワサビ”を効かしたようなイベントができないか、と思って、いろいろなところへ発信した結果、かなりの参加者がノミネートしてくれました。
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藤原:食べ方について、例えば落語では、扇子をお箸の代わりにしたりしますが、そういった小道具はOKなのですか?
河本:原則としてはOKです。それで、何を食べたか、参加者に当ててもらうというルールになっています。ただし、例えばソバの丼を持ってきて食べたら、ソバというのが分かってしまいます。だから、食べるものが明らかに分かるような小道具はダメです。お箸やちょっとした音楽をかけるなど、普通のお皿ぐらい程度のものは、OKです。
藤原:友達と一緒に参加するのはいいのですか?
河本:結構です。1人でも何人でも、無制限です。
藤原:ちなみに、先日の第1回大会で、優勝された方はどんな方ですか?
河本:タレントの岩崎なおあき(いわさき なおあき)さんです。トップバッターだったのですが、お好み焼きを材料から作って食べるところまで一連の動きでやって、そのパフォーマンスがみなさんに大変感動を与えたということで、優勝者になりました。
●スタジオ
藤原:3月17日に行われました第1回『エアディナー大会』は、出場者12人、観客、スタッフなどを入れると全員で約70人でした。部屋はぎゅうぎゅう詰めで熱気ムンムンだったそうです。
松本:“エアディナー”には、今の日本の食生活に対する“戒め”のような部分があるのですね。
藤原:“もったいない”というメッセージは、参加者一人一人に伝わったと思いますし、この放送を聞いているみなさんも、そう思ってもらえたらと思います。NPO法人『ゴールデンエイジネットワーク 風の会』の詳しい情報については、ホームページをご覧ください。
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<お問い合わせ>
『ゴールデンエイジネットワーク 風の会』事務局
TEL 06-6356-8786
www.g-kaze.com
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● 取材を終えて、感じたこと |
50歳代以上の方々の集まりで、みなさんとにかく元気!様々な人たちと、脳の活性化に役立つような新鮮な交流をされているからなのでしょう。
“エアディナー”はルールが分かりやすくて面白いだけでなく、食べ物に対する感謝の気持ちやおもてなしの心を改めて考える良い機会となりました。
また会員自らが先生となる講座は、会員が増えれば増えるほど講座数も多くなるので、ますます多彩なテーマで活動ができそうですよね。
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