●インタビュー前半
藤原:『港娯楽新聞』はフリーペーパーですか?
神木:はい、そうです。
藤原:どれぐらいのペースで、何部発行されているのですか?
神木:隔月で、5000部発行しています。
藤原:『港娯楽新聞』を作ろうと思ったきっかけは、何だったのですか?
神木:西区の九条によく食べに行くごはん屋さんがあり、そこで去年発行された『九条新聞』というものを目にし、港区でも発行したいなぁと思ったことがきっかけです。大阪港で喫茶店『ハaハaハa』をされている原田さんという女性の方と、朝潮橋で『オーバーザブリッジ』というダーツバーをされているニナちゃんという方と三人で話し始めました。
藤原:記事の内容は、何が基本なのですか?
神木:港区の楽しい情報を、多くの人に伝えられたら、と思っています。新聞を通じて、世代間の文化交流のようなことができたらいいなぁ、という思いもあります。
藤原:なぜ、“港娯楽(パラダイス)”という名前なんですか?
神木:“娯楽(パラダイス)”というのは、以前港区にあった遊技場『市岡パラダイス』が語源になっています。当て字で「娯楽」として、『港娯楽新聞』。「みなとパラダイスしんぶん」と読みますが、愛称は“ミナパラ新聞”です。
藤原:商売でされているわけではないでしょう?発行するのにはお金がかかると思いますが、拝見したところ、広告は多くないですね。
神木:“ワンコイン伝言板”という500円で情報を掲載できるコーナーがありますが、あくまでカンパが主体です。基本的には、読み物をベースにしたフリーペーパーにしたいという思いがありますので。
藤原:港区のどんな特徴を活かしたいと考えておられますか?
神木:どんな特徴を活かしたい、ということはないんです。自分たちが住んでいるところは、何か理由があるから好きなのではなくて、自分たちがそこに住んでいるから、愛着があるというようなところがあります。その“愛着”がある部分を、よりもっと自分たちが楽しみたい、というところが大きいです。
●スタジオ
藤原:本当に面白い新聞なのですが、読者・区民参加型の新聞だからこそ、面白いのではないかと思います。区民の方が“区民リポーター”になって自由に書いているので、情報が偏っていないのですね。現在、“区民リポーター”のみなさんは、港区に住んでいる人、港区で働いている人など、港区にゆかりのある人たちばかりが8人いるそうです。
松本:記事を持ち込むような感じだから、書く方の思いは熱いのですね。
藤原:実際に、知りたい情報や気になる情報が盛りだくさんです。『築港温泉』という銭湯のご主人や、以前この番組にもご出演いただいたNPO法人『大阪アーツアポリア』代表の中西美穂(なかにし みほ)さん、インディーズ系で有名なシンガーソングライターで“港区の歌姫”とも呼ばれている代田幸子(だいた さちこ)さんなど、いろいろな方がライターとして活躍されています。
●インタビュー後半
藤原:『港娯楽新聞』を拝見していますが、写真もたくさんあって、字もびっしり。似顔絵などもあって、すごく面白いですね。この写真は、飛行塔ですか?
神木:そうです。以前『市岡パラダイス』にあった飛行塔の写真を、使わせてもらいました。
藤原:へぇー。この飛行塔の近くで、野外サーカスがあったり、花火が打ち上げられたりもしていたのですね?
神木:レンガ造りの映画館もありました。
藤原:港区は、本当に粋な町だったのですね。
神木:昔は、交通手段である船から文化が出入りすることが大きかったのですね。港区は、大阪市24区でも、海に面した数少ない区なので、異国情緒が溢れていたと思いますね。
藤原:『港娯楽新聞』主催のイベントもされているようですね。
神木:先日も、桂雀太(かつら じゃくた)さんをお招きして、銭湯で落語会をしました。大盛況で、50人を超える方々が来てくださいました。
藤原:えっ、お風呂場で落語ですか?
神木:銭湯の脱衣場で、聞いていただきました。
藤原:4月以降も、いろいろなイベントの予定が入っているそうですね。
神木:去年に引き続き、渡船を使ったツアーを予定しています。港区には『甚兵衛の渡し』と『天保山の渡し』の2ヵ所、渡船場があります。ツアーでは、大正区へ渡る『甚兵衛の渡し』などを利用して、大正区から浪速区、西成区のあたりまで船で回って、また港区に戻ってくるというツアーです。
藤原:他に、どのような予定がありますか?
神木:港区の三社神社で、大きな夏祭りがあります。『港娯楽新聞』の事務局は、その三社神社の大通りに面していて、祭りの時には通りが歩行者天国になるので、そこで“ミナパラ新聞”の紙面で似顔絵を描いてくれている洋一丸君による、似顔絵のイベントを考えています。
●スタジオ
松本:この“ミナパラ新聞”は、どこで読めるのですか?
藤原:港区民センターや、港図書館、サントリーミュージアム、インターネットカフェ『ポートワン』など、およそ30ヵ所とお風呂屋さん21軒にも置いてあります。もちろん落語会をした『築港温泉』にも。お風呂上がりに読んでいる方がたくさんいらっしゃるようです。面白い光景でしょうね。
松本:お風呂屋さんに行って、一読するわけですか(笑)。いいですね。
藤原:ぜひ、ゆっくり読んでください。『港娯楽新聞』では、プライベートライターも募集しています。また、Web版の『港娯楽新聞』もありますので、そちらもご覧ください。
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