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毎回、大阪を拠点に活動しているNPO法人やNGO、ボランティア団体、そして大阪のいろいろな地域で活躍している方やその地域の活動内容を通して、大阪の「ひと」や「まち」の魅力を発見していきます。
たくさんの人に知ってほしい大阪を魅力いっぱい、情報満載でご紹介していきますので、みなさんご期待ください。

2007年3月17(土)放送
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シングルマザーと子どもたちが
生きやすい世の中をめざして
〜NPO法人
『しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西』〜

今回ご紹介するNPO法人『しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西』は、シングルマザーとその子どもたちが、いきいきと暮らせる社会をめざし活動しています。また、シングルファーザーも対象にしているようです。母子世帯や父子世帯にとって、今の社会は生きていくのに、まだまだ窮屈な部分が少なくありません。そんな中、心の支えになるものは、何といってもシングルマザー同士のつながりです。詳しいお話を、理事の中野冬美(なかの ふゆみ)さんに伺います。

★上のボタンを押して、放送を聴いてくださいね!


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●インタビュー前半

藤原:NPO法人『しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西』の活動内容を教えてください。
中野:シングルマザーとその子どもたちの交流活動が中心です。母子家庭への偏見は、まだまだ根強く残っている部分がありますので、自分がシングルマザーだと言い出しにくく、孤立した子育てをしがちです。そういった意味でも、当事者同士が集まって情報交換をしたり、相談し合ったりすることが、どうしても必要になってきます。

藤原:具体的には、どのようなことをされているのですか?
中野:まず、シングルマザーの実情を知ってもらうための調査活動です。シングルマザーから聞いた悩み、考え、希望などを、国や関係機関に訴えています。また、シングルマザーの現状を一番よく知っているのは、シングルマザー自身ですので、自らいろいろな行政の諸策や制度などを学んで、それをシングルマザー同士や行政の担当者の方にも教えていく、といった講師派遣の活動もしております。その一環として、行政のシングルマザーの相談窓口になっている方たちを対象にした『ひとり親家庭相談員養成講座』を、一昨年から行っています。相談窓口に座っておられる方は、非常に熱心なのですが、シングルマザーが抱える具体的な問題に関しては知らない部分があり、相談に行った時に傷付いてしまうこともあります。そういうことがないように、シングルマザーの本音、実情を知った上で、相談を受けてほしいという意味で、資格認定講座として展開しています。



●スタジオ

藤原:世の中にはこうした悩みを持っておられる方も多いようです。NPO法人『しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西』は、会員制で、会員になるとニュースレターが届きます。現在、ニュースレターを購読されている方は300人以上いらっしゃるということです。会員になれる方は、離婚・別居をされている方、子どものいる未婚の方、旦那様や奥様と死別された方などです。外国人のシングルマザーやひとり親家庭で育った子どもたちも会員になる資格があります。そうした方々が交流や情報交換をするために、毎月第3金曜日の夜7時から9時の2時間、定例会を開催して、活動報告や今後の予定を話し合われています。会員の方々が中心ではありますが、会員でなくても、見学希望の方はどうぞ参加してください。また、会員になろうか迷っている、詳細を知りたいという方も、気軽にご相談してください、とのことでした。



●インタビュー後半

藤原:NPO法人『しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西』は、どのようにしてできたのですか?
中野:母子家庭の非常に大きな支援策である『児童扶養手当』という制度が、1984年頃に大改悪されました。命綱を断たれるような、非常に大きな改悪で、その反対運動をするために当事者たちが集まったのが始まりです。最初は、大阪、東京、福岡にできました。それ以降、母子家庭のいろいろな問題について、何かが起こるたびに集会を開いたり、情報提供のためのニュースレターを発行するといった活動を、地域ごとに行っていました。ところが、2002年に母子家庭政策の大きな改定の動きがあり、全国で一致団結して行動を起こさないと大変なことになる、ということで、全国でNPO法人格を取って、NPO法人『しんぐるまざあず・ふぉーらむ』として動き出しました。その後、やはり地域に根ざした活動をどんどん展開していきたいということになって、関西では2006年2月にNPO法人格を取りました。


理事
中野冬美さん


シングルマザーの
生活ホットラインで、電話相談

職場での均等待遇を訴える
『均等待遇アクション』

『点訳講座』の様子

遠足などのイベントで子ども同士も
すぐに仲良くなります



藤原:その中でも、各地域に分かれて活動しているのですか?
中野:任意団体の形で活動しています。シングルマザーにとっては、自転車に乗って子連れで行けるような距離に、相談窓口や交流の場などがあることが、どうしても必要ですから。現在は、京都、尼崎、箕面、枚方にあり、今度は豊中にもできますし、和歌山でも動いております。そうして、どんどん任意団体の形で作られてきています。

藤原:自治体や企業から依頼されて行う事業もあるそうですね。
中野:有り難いなと思ったのは、大阪ガスさんが、子どもたちのためのプロジェクトに資金を出してくださったことです。母子家庭に対してもそうですが、母子家庭の子どもたちに対する偏見もすごくあります。「母子家庭の子どもたちはかわいそう」、「健気に頑張っている」など、厚意で言われるのですが、当事者の子どもたちにとっては、ごく当たり前の、普通のことなんです。子どもたちは特別に頑張っているわけではなくて、お母さんと一緒に家庭をマネジメントしているという、誇りと自信を持っています。“頑張っている”と思われることに、「それは違うんじゃないかな」という思いを抱いています。そうした子どもたちから、「自分たちの本音を語れるような、表現できるような冊子を作りたい」と、意見が出ました。それを提案をしたところ、大阪ガスさんから助成金をいただきまして、ようやく今年でき上がって、どんどん広めていこうとしている最中です。



●スタジオ

藤原:これからシングルマザーになる人のことを、“プレ・シングルマザー”と言っているそうですが、別居中、調停中など、実際に離婚を考えている方たちも、今後の悩みや不安などを抱えています。でも、そういう人たちが相談できる窓口、場所がないから、作りたいと中野さんは考えておられます。まず、離婚などの経験を書いている本、みなさんの意見を合わせた本を、この夏に出したいとお話されていました。また、イベントもたくさんされています。春と秋には、子ども連れで、長居公園や万博公園などへ遠足に行かれるそうです。子ども同士がすぐに仲良くなって、一気に友達が増えるとのことです。また、お母さんもそこから元気をもらうということがあります。夏休みには、泊まりがけで合宿をするのですが、子どもを寝かした後、お母さん方はお酒を飲みながら語り合うのが楽しみなのだとか。

松本:なるほどね。

藤原:そこで、先輩のシングルマザーの体験話を聞いて、自分の悩み解決の糸口を発見するということもあるそうです。NPO法人『しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西』の年会費は3000円です。詳しくはホームページをご覧ください。


<お問い合わせ>
NPO法人『しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西』
TEL 06-6634-7336
http://smf-kansai.main.jp



● 取材を終えて、感じたこと

一人で子育てするのは、実際かなり大変だと思います。
NPO法人『しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西』では、再就職のアドバイスや、母子家庭の親子のための講座なども開かれています。
特に興味を持ったのが『点訳講座』。パソコンでできる作業なので、仕事を持ちながら、余った時間で社会貢献にもつながると人気の講座です。家でできるので、続けやすい点も魅力なのでしょうね。


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