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2007年2月17(土)放送
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雨水をためて町の生活を守り
環境破壊の防止につなげる取り組み
〜『関西雨水市民の会』〜

今回は、『関西雨水(あまみず)市民の会』の活動をご紹介します。『関西雨水市民の会』は、雨水に注目して、雨水を有効利用することで、洪水防止や地球温暖化など環境破壊の防止につなげていこうと活動をしています。雨水がどうして洪水や地球温暖化などを防ぐことにつながるのでしょうか?『関西雨水市民の会』会長の水野育成(みずの やすなり)さんにお話を伺います。

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●インタビュー前半

藤原:『関西雨水市民の会』は、どんなことをしている団体なのですか?
水野:最近は、“雨水タンク”というものを設置している一般家庭や学校があります。屋根に降ってくる雨水をその“雨水タンク”にためて、たまった水をお花の水やりに使ったりするのです。容量の大きいタンクを持っていれば、車を洗うのに使ったりもできます。水道水を使わないで、降ってくる雨を使いましょう、資源を大切にしましょうという考えを広めようと活動している会です。

藤原:雨水を利用すると、どんなメリットがあるのですか?
水野:料金を払って使う水道水は、まず水そのものが、各家庭に来るまでに多大なエネルギーを消費していて、CO2も発散させます。もっと元をただせば、何百億、何千億という経費を使ってダムを造り、そこから来ている水です。できるだけそういう水は使わないで、自分の家の屋根の上に降ってくる水、つまり雨を使いましょう、ということです。いわゆる節水、省エネにつながります。

藤原:なるほど。よく災害時にも、ためておいた雨水を利用する、ということがありますね。
水野:そうです。災害が起きて水が来なくなるということがあります。そのために雨水をためて利用しようというのも大きな目的の一つです。しかしその前に、都心部においては、町中や地下鉄の中が水浸しになるという、“都市洪水”という洪水が起こります。そういう“都市洪水”を起こさないように、少しでも軽減しようということも考えています。各家庭や学校、公園などのタンクで水を一時的にためておけば、“都市洪水”のようには、一挙に水は流れません。ためた水は、また徐々に元に戻してあげればいいわけですから、そうすると“都市洪水”の被害が軽減される、ということが言えると思います。



●スタジオ

藤原:『関西雨水市民の会』は、雨水の水質を調べる団体ではなく、雨水を有効利用してほしいということを促している団体なのです。お話に出てきた“都市洪水”のことですが、都市はコンクリートとアスファルトに固められているので、降った雨は一気に下水溝へ流れ込んで、その排水能力を超えてしまい、浸水被害が起こりやすくなっています。雨水を直接、下水溝に流すのではなく、各家庭で少しでもためていって、その水を有効利用することができれば、多少は洪水防止につながるのではないか、ということですね。

松本:都市にも排水能力というものがありますからね。そのキャパを越えると、浸水が起きるわけですね。

藤原:そうなのです。そうならないために、私たちにもできることがあります。お話に出てきた雨水をためておく“雨水タンク”です。これは、住宅メーカーからも出されていて、個人でも設置できます。家庭用だと、150〜200リットル、つまりドラム缶1本分ぐらいの容量です。新築する時に駐車場などの地下に埋め込んでおくタイプや、ベランダなどに簡単に後から取り付けるタイプがあります。

松本:いろいろなタイプがあるわけですね。

藤原:デザインや大きさなど、いろいろな種類がありました。後半部分は、活動についてさらに詳しく伺っております。



●インタビュー後半

藤原:『関西雨水市民の会』では、具体的にどのような活動をされているのか教えてください。
水野:継続的に行っているのは、勉強会です。会が設立されて10年目に入ったのですが、通算34回行っています。単に雨水利用と言っても非常に漠然としていますので、“雨水タンク”の構造の問題や雨水の取水方法など、ソフト・ハード両面を勉強しようというものです。会員を中心に行っていますが、時には会員でない方にも参加していただいて、専門家や詳しい方に話を聞くということをやっています。また最近は、各自治体が主催する防災や環境問題のイベントが増えてきました。そういうイベントに呼ばれて、モデルになるタンクを持っていったり、説明ができるような資料を作ったり、取水の仕組みが分かる模型を展示するなど、啓蒙活動も行っています。また、小学校や幼稚園へ出掛けて、子どもたちへの啓発に努めています。


会長
水野育成さん


勉強会の様子

“雨水タンク”の仕組みを勉強

『雨水ふれあいセミナーIN大阪』

ゲストの話に耳を傾けます





●スタジオ

藤原:行政も、“雨水タンク”の利用について取り組みを始めています。例えば、大阪府では『おおさかレインボウぷろじぇくと!』というプロジェクトを作って、10数ヶ所に“雨水タンク”を取り付けて、どう活用できたかをモニター調査しています。今年3月で区切りになる2年が過ぎて、報告がまとめられていくそうです。また大阪市は、“雨水タンク”を家庭に設置する場合、3万円を上限に、設置費用の半分を補助してくれるということですから、ありがたいですね。

松本:そうですね。

藤原:助成金が出ますので、ぜひとも利用していただきたいと思います。お話を伺って面白かったのは、“雨水タンク”を設置している幼稚園や小学校での子どもたちの反応。“雨水タンク”の中に、水がどれぐらいたまっているのか見えるので、その中の水が減ってきたら、子どもたちが「使うのもったいない!」と言い出すそうです。

松本:ほー。

藤原:蛇口をひねったら出てくる水道の水と違って、水が減っていく様子が目で見えるので、水のありがたみがすごくよく分かってくるという話ですね。

松本:節水や省エネ、火災時の消火にも役立ちますが、子どもたちをそういう気持ちにさせるという意味でも、大事ですね。

藤原:昔は洗面器を置いて雨水をためてましたね。

松本:置いてましたね。いろいろな意味でメリットがあるわけですね。

藤原:『関西雨水市民の会』では、一緒に水のことを勉強したり、雨水利用を啓発する活動をしてくれる会員を募集されています。入会金が2000円、年会費が3000円です。『関西雨水市民の会』について、詳しくは、ホームページをご覧ください。


<お問い合わせ>
『関西雨水市民の会』事務局
TEL 06-6885-0214
www.kansaiamamizu.com


● 取材を終えて、感じたこと

母が「庭の水やりをした途端、雨降ってきたわ」と、よくぼやいています。
考えてみたら、植木の水やりをわざわざ水道水でする必要なんて、ないですものね。
「ミネラルウォーターで水やりすると、よく育つ」とかなら話は別ですが(笑)。
雨水を利用する方法は、タンクを付ける以外にも、バケツや洗面器を置いておくなど簡単な方法があります。
ちょっとした心掛けが、節水や洪水防止、また生活用水として役立つのですね。


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